脳ざらし紀行


2004-08-01

_ [国内] スマップカード

これは商標的に大丈夫なの?

_ [経済] Diamonds are Forever...Not

デビアスのダイヤモンドカルテルに関して。The Economist の記事「The cartel isn't for ever」が元ネタ。ダイヤモンド産業とデビアス社


2004-08-02

_ [国内] PiTaPa の与信審査

2ちゃんねるのスレその1その2を見ていると、PiTaPa の与信審査で落ちたという報告がちらほら。落ちる場合もあるのか。

会員暦30年近くでゴールド所持者、それなりの年収のある俺の上司が、なんとハナプラス落選だって。

SMCを複数枚持っているそうなので、枠オーバーかも知れん。この現象はスル関側も予想以上だったのではないかなー。

http://hobby6.2ch.net/test/read.cgi/train/1090948720/147n

まじでか。三井住友の審査がもともと厳しいのか。それとも PiTaPa の利用限度額が1ヶ月15万円と大きすぎるのが審査を厳しくしているのか。京阪と阪急と能勢だけではどうやってもひと月に15万円も使えんだろ。利用限度額はこんなに必要ないと思う。

_ [国内] 民法改正

民法が口語化されるそうです。難解語at民法民法の難解さ(続き)民法の難解さ(続々)弁護士 奥村徹(大阪弁護士会)の見解NAbElogなるしす日記

簡単で誰にでも理解できるような法律が一番良い。それが無理なら分かりにくくても明確にきっちり決まっている法律が良い。分からない場合は専門家に聞けば済む。一番駄目なのは分かりにくくてかつ曖昧な部分が多い法律。法律が曖昧な分だけ権利を確定するために余計なコストが掛かってしまう。

事後の権利の不確定性は人々の活動を委縮させる。

あくまでも民法の話。

_ [経済] 永遠(の輝き)はあるよ

ダイヤモンドのカルテルを正当化する理屈として、ダイヤの供給を抑えて希少性を人為的に生み出しているからこそ、ダイヤには価値が生まれるというのがある。直観的には詭弁に聞こえるけどどうなんだろう。

ひとつ言えるのはカッティング業者への供給さえ割当によって決められていたという状況では、ダイヤの原石を加工する技術の進歩に対するイノベーションが不当に阻害されていたのではなかろうかということ。あくまで仮説だけど。ここ1世紀ほどの間、ダイヤの加工技術は他の宝石に比べてどれくらい進歩したのか、あるいはしなかったのか。

_ ペンホルダー付きの能率手帳

システム手帳はかさばるので綴じ手帳の方が良い。パッとメモが出来るように手帳にペンホルダーは付いていて欲しい。となると、能率手帳キャレルくらいしかないのかな。手帳活用術 A to Zはおもしろい。この時期になんで手帳を選んでいるんだというつっこみは無しで。


2004-08-03

_ 楽天のアフィリエイトも始めました

アマゾンアソシエイト、Google AdSense に続き、楽天のアフィリエイトも始めました。

バーコードリーダーUSB

PS700EUSB

ホッチキスの針とり器

はりトル

_ SuicaやICOCAや

SuicaやICOCAやSHICOCA(JR四国・仮称)やSuiyoudoudesyouca(JR北海道・仮称)

http://hobby6.2ch.net/test/read.cgi/train/1090948720/208n

ちょっとおもしろい。

_ 赤羽駅東口で久本マチャミが!!

赤羽★有名人追っかけルポのうちのひとつ。KNOY NEWS より。

そら、「ヨロチクビ」はマチャミの魂には届かないと思うよ。いくらなんでも。


2004-08-04

_ [国内][特許] RFIDがブームになった理由

RFIDがここ数年でブームになったのも、ここ数年で基本特許の有効期限が切れたからというところが大きかったりします。もちろん関係者もあえていわないし、当方も講演でとかでいわないけどね。

http://home.att.ne.jp/sigma/satoh/diary.html

優雅な生活が最高の復讐であるより。特許がイノベーションを阻害する例。

クロスライセンスなどの手段だけでは特許の壁を完全に取り除くことが出来ないようだ。何が問題なんだろう。ライセンス締結のための取引コスト?

_ どこでもクッキングのみぃる

声の中の人が着ぐるみの中の人もやってるという話。2ちゃんねるの神崎ちろについて語るスレ

522 :声の出演:名無しさん :sage :04/04/17 07:51 ID:8NxbWVqg

みぃる見たけど、動きがなんとなくちろっぽい氣がするな

つーか逆に「愛ゆえに ら・るる」の浜崎先生のちろ芝居がリアクション大きくてみぃるっぽかった

ファンというのはすごいなあ。

着ぐるみ事件リンク集にもなんとなくリンク。ZENTAI WOMAN にもリンクしてみる。CHARA PIT TOPICS(8/2分)にもリンク。

_ [経済][国際] Getting Latin America Unstuck

豊富な天然資源に肥沃な大地、識字率も高いとラテンアメリカには経済発展するための条件がそろっているはずなのに現実はひどいものだ。なぜだろう。研究開発にまわる資金が少ないのが原因じゃないかと Jeffrey D. Sachs は言う。

それに対して Marginal Revolution で Tyler Cowen は「そうじゃない。成長に対する期待が形成されれば、みんな研究開発に資金を回すようになる。必要なのは未来に対する期待と政府に対する信頼が必要だ」と言う。これに対する簡単な解決策は残念ながらない。

_ [経済][国際] World Bank and Donors Must Change to Reach MDGs Says Jeff Sachs

Jeffrey D. Sachs は開発経済学の偉い人。現在は国連で the Millennium Development Goals に関してアナン事務総長のスペシャルアドバイザーもしている。その Jeffrey Sachs の世界銀行での講演のビデオ。非常に情熱的。「約束した援助くらいはしろや、糞が」と先進国を激しく非難しつつ、世界銀行は変わらなければならないと強く主張している。

サハラ以南での援助に関して、「市場のことは忘れろ」という。なぜなら痩せた大地と少ない水で自分が生きる分ぎりぎりを生産するのがやっと、舗装された道路もないような状況では、彼らは市場にアクセスすることが不可能だから。

_ [経済] Eight empirical propositions I used to think were correct

Marginal Revolution のエントリ。前は信じていたけど今ではどうも違うんじゃないかと考えている8つのこと。

1.ベースマネーを操作することで物価水準と金利の両方を安定して操作することが出来る(と信じていた)。物価水準の幅広いぶれ、つまりマイルドなインフレを許した方が良いようだ。

2.最低賃金規制は非熟練労働者を労働市場から締め出す(と信じていた)。

3.投資は実質利子率に非常に影響されやすい(と信じていた)。

4.資本の自由な移動は開発途上国にマクロ経済の安定をもたらす(と信じていた)。

5.法の支配を確立するよりも素早い民営化の方が重要だ(と信じていた)。

6.インフレを退治することは簡単だ(と信じていた)。実際退治することは出来るけどそのコストは思っていたよりも大きい。

7.Fairness perceptions, envy そして現状への固執は名目賃金の硬直性とは関係ない(と信じていた)。

8.人間は状況に関係なく効用を最大化する(と信じていた)。

_ Lightweight Language Weekend

行きます。多分。東京に遊びに行く口実。


2004-08-06

_ PiTaPa カード

PiTaPa カードが来た。申し込んでから2週間くらい。藤子不二雄のパーマンをどことなく連想させる。


2004-08-08

_ JR 新宿駅の東口

JR 新宿駅の東口を出たら本当に歌舞伎町だった。ちょっと感動した。

_ LLW2004

LLW2004 の会場が暗かったので写真の写りがあまり良くない。あの状況できれいに写すのは僕のカメラでは無理だ。一応手ぶれしないように注意を払ったんだけど。

帰ってきたら反応リンク集がすでに出来ていた。。

_ 発表者のマシンの不具合

プレゼンのファイルだけあらかじめ運営者に渡しておいて、運営者が用意したマシンを発表者は使うとかいう風にしたらいいのではと思った。少なくともすぐに代わりに使えるバックアップのマシンは必要かなと。


2004-08-09

_ 教育の効果

唐沢俊一氏の裏モノ日記より。

私の小学校中学校のころはもう、日教組ブイブイの時代で、もちろん国歌なんぞ卒業式でも入学式でも一切歌わなかったし、担任は日本史の教科書の神話の記述に線引かせて消させていたし、左翼教育徹底して受けたけど、そういう教育受けたわれわれが成人して後、日本が社会主義化したか共産主義化したかといえば、見ての通りのありさまである。どちらも少し、教育現場が子供たちに与える影響というのを過大視しすぎているだけなんじゃないかね。

http://64.233.167.104/search?q=cache:www.tobunken.com/olddiary/old2004_06.html

サッカーアジア杯での中国の反日大罵声、これが正直な反応なんじゃないのかと思う。アジア諸国は日本がキライなのである。いや、これは日本が昔侵略をしたから云々ではなく今の中国、及びアジア諸国にとり、自分の国の発展に方向性を持たせ、ハッパをかけるための仮想的として、日本は理想的な国だからである。だから国民に反日教育を徹底させている結果があの態度なのだ。

http://www.tobunken.com/diary/diary.html

結局どっちなんだ。

_ 六本木ヒルズの欠陥

LLWeekend のあと六本木ヒルズに行ってきた。別に見るべきところはなかった。梅田の地下よりも迷う。

森タワーが外見上なんの特徴もないビルだったので驚いた。東京都庁みたいに二又にするとか、梅田スカイビルみたいに二つのビルを連結するとか、頭にうんこを載せるとか色々方法はあるのに。これじゃただデカイだけじゃん。


2004-08-10

_ [映画] シネコン

梅田にもシネコンって色々あったのか。知らなかった。

梅田ブルク7地図

ナビオTOHOプレックス地図

シネコンじゃないけど。

テアトル梅田梅田ガーデンシネマシネ・リーブル梅田

梅田じゃないけどシネコン。

MOVIX京都ワーナー・マイカル・シネマズ茨木TOHO シネマズ高槻シネマR170

何が言いたいかというと、これだけ映画館があっても「マインドゲーム」を見るためには、心斎橋の「パラダイススクエア」まで行かないといけないということ。

_ 東京観光のユーザビリティ

LL Weekend の2日目の8月8日には、朝早起きして東京タワーへ行って、また大久保に戻って LLW に参加して、終った後には都庁と六本木ヒルズに行って、その後新幹線に乗って帰るというなかなかのスケジュール。

よかったもの。

本の画像ガイドブックに買った『まっぷるマガジン 東京ベストスポット』。非常に使いやすくて驚いた。これがなかったら僕は東京砂漠で迷子になって干からびて行き倒れていたと思う。

東京タワーがわりと良かった。六本木ヒルズみたいに迷わずに済むのがいい。

展望台で「天は私を必要としている!!」とか未来人ごっこをやった。あのまんがやアニメの舞台なのかあと思うと、感動もひとしお。『僕の地球を守って』とか『魔法使いに大切なこと』とか。

午前9時でも割と人がいた。

東京でも使えた ICOCA が便利だった。東京にいる間、路線図を眺めて現在駅を探して目的の駅を探して料金を確かめて財布から小銭を取り出して券売機に入れて該当する料金のボタンを探して押して切符とお釣りを取り出す、という拷問にも等しい作業を JR ではまったくせずに済んだ。すばらしい。

駅の構内の案内表示の量が多くてよかった。

JR では車両の色と路線図の色が統一されているのがわかりやすくてよかった。

この前買ったデジカメ『DiMAGE X21』。小さくて邪魔にならない。起動時間が短いので撮りたい時にすぐ取り出して撮ることが出来る。でもビルなんかを撮っていると広角が欲しくなる。

悪かったもの。

六本木ヒルズ。迷った。わざと迷うように作っているとしか思えない。設計自体が駄目。

LLW の会場の位置。迷った。初日だけでなく2日目も迷った。まあ仕様がない。

JR 新宿駅の指定席券売機。設置場所が分かりにくすぎる。新宿駅にもあったらしいのだけど見つけることが出来なかった。「みどりの窓口」よりも指定席券売機の方が色々気兼ねなく検索できる分便利。どうでもいいけど「みどりの券売機」というのは JR 西日本だけの言い方なのね。

結論としては、とにかく暑かった。

_ 東海道新幹線を最初に営業運転したのは新幹線ではなく、阪急京都線である

普通にトリビアの泉に出せそう。

この区間の阪急京都線は、東海道新幹線着工以前は地平を走っていた。しかし新幹線が隣接してつくられるということで問題が発生した。まず新幹線は立体交差であるから、当然高架となる。この真横の阪急京都線を地平のままにしておくと、線路が新幹線の高架の重みで地盤沈下する恐れがあった。その他新幹線の保安上の問題もあったという。

そこで当時の新幹線工事局は阪急と協議、この区間は新幹線と同一の高架とすることに決定した。

問題はどのように工事を進め、速やかに移行するかだ。まずは新幹線の線路を先につくり、後で阪急京都線をつくることになったのだが、 ラッキーなことに阪急のレール幅は新幹線と同じ1,435mm。そこで工事中は先に出来る新幹線に一時的に阪急京都線を走らせ、その後阪急の工事を行うという事が決まった。


2004-08-11

_ 4月1日から全国の TSUTAYA が1枚の会員証で利用できます

今年の4月1日から出来るようになっていたらしい。知らなんだ。


2004-08-13

_ うほっ

うほっ。

_ [映画] ハーヴェイ・ミルク

TSUTAYA に行ったら普通に貸し出してあったので借りてきた。20年前のドキュメンタリーが手軽に見れるとはすばらしい。1984年 第57回アカデミー賞 最優秀長編ドキュメンタリー賞授賞。

1978年11月27日、サンフランシスコのマスコーニ市長とミルク市政執行委員が市庁内で殺害された。犯人は同じ市政執行委員のダン・ホワイト。ハーヴェイ・ミルクはアメリカで初めてゲイであることを公表しながら選挙によって公職に選ばれた人物だった。サンフランシスコのカストロストリートにおけるゲイムーブメントの中心的な人物だった。

中流階級のユダヤ人の家庭に生まれ、海軍に入隊、証券会社に就職した後、ブロードウェイでプロデュース業、その後ベトナム反戦運動、ゲイの解放運動へと至る。カストロストリートで恋人とカメラ屋を営みながら市政執行委員の選挙に挑むこと3回。すべて落選。リベラルなマスコーニ市長の選挙改革も手伝って4回目で初当選。このときまでにはミルクはカストロストリートのゲイコミュニティの中心的な人物になっていた。

単なるサンフランシスコの市政執行委員であるミルクが有名になった切っ掛けはカルフォルニア州で同性愛者を教職から排除する内容の提案6号が住民投票に掛けられたことである。ゲイの市政執行委員として知られていたミルクは提案6号を巡るマスメディアでの議論で推進派のブリッグス議員に対抗して反対の論陣を張ることとなる。

ブリッグス議員の言い分。

提案6号は両親の権利を守ります。体罰を加えて教え込もうとする者や、違法である買春婦を教師にさせないのに、同性愛者は許されているのです。

提案6号は51%対47%で否決された。

ミルクはマスコーニ市長と共に同じ市政執行委員のホワイトによって殺害される。

裁判ではホワイトの殺意が争点となった。

ホワイトの裁判の結果は4年から12年の懲役で仮釈放の可能性もあるもので、それはまさに弁護士が要求したとおりのものだった。

ある黒人の青年のセリフ。

これが“公平な法”ですよ。私が公人を殺したら何年だろう。

ハーヴェイ・ミルクに関してはランディ・シルツ著『ゲイの市長と呼ばれた男(上)』、『ゲイの市長と呼ばれた男(下)』が詳しい。

シルツの著作を読んでハーヴェイ・ミルクやこの映画に関しては知っていたんだけどまさか本当に見られる日が来るとは思わなかった。マイケル・ムーアの最大の功績はドキュメンタリー映画を TSUTAYA で貸し出させる切っ掛けを作ったことなんじゃないかと思う。


2004-08-14

_ [映画] マインド・ゲーム

素晴らしい。

実写とアニメを合わしたような映画かと思ったら、ほとんど全編 アニメでした。というかアニメ映画でした。

この映画を見る場所として心斎橋は確かにふさわしいなと思った。客はほとんど入ってなかったけど。『誰も知らない』はたくさん人が入ってました。

_ [ネット] 激安 SD メモリーカード

心斎橋からなんばへ行って、激安 SD メモリーカードを買った。128MB で2690円。最高画質で撮っても100枚以上記録可能なのがいい。

_ おりんぴっく

TBS でやってる競技前の選手紹介が『エンタの神様』っぽい。


2004-08-15

_ [著作権] リンク集は著作物か

著作権法上、著作物については、2条で、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」とされており、「リンク集」が、著作物に該当するという余地を見出すのは、極めて困難。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20040814#p4

でも著作権法には

第12条 編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。

というのがあって、その要件は

編集著作物として保護されるための要件

(1) 素材は単なる事実、データ等であっても良い。

(2) 独自の一定の目的、方針に従い素材の選択、配列を確定したものである必要。

http://www.law.co.jp/okamura/copylaw/chyo07.htm

なので、大抵のリンク集は編集著作物なのではないかと思います。「無断リンクは著作権侵害か?」という議論とは全く関係ありませんが。

_ [本] ダルタニャン物語 第10巻 鉄仮面

本の画像アレキサンドル・デュマ著『ダルタニャン物語 第10巻 鉄仮面』、読了。

_ [本] ダルタニャン物語 第11巻 剣よ、さらば

本の画像アレキサンドル・デュマ著『ダルタニャン物語 第11巻 剣よ、さらば』、読了。ダルタニャン物語、これにて完結。

これだけの長編を読者に飽きさせることなく構成するその手腕は、まさに大物語作家の名にふさわしいものです。

デュマには色々な文献が紹介されている。

デュマ本人は息子の問いに答えて「モンテ・クリスト伯は面白かった。でも、三銃士ほどじゃないね。」と言っており、「おいおい、モンテ・クリスト伯より面白いってのが、そうそうあるか?」と疑ってましたが、なるほど、おっさんの私としては人生の苦渋と悲哀をも書ききった三銃士のほうが面白かったですわ

いかにも。

私の父は大河です。あなたが小便をたらしこもうと、何しようと、だから平気です。

(アレクサンドル・デュマの息子、デュマ・フィス)

っていうのが割と好き。

2002年、デュマついにパンテオン(万神殿)へ!」も。


2004-08-16

_ [経済] デフレ、グローバリゼーション、新しい金融論

スティグリッツのスライドの翻訳。

_ [経済] 放送産業を経済学「的」に語るスレ

くだらない質問はここに書き込め 7問目のつづき。

NHK の民営化の是非をめぐる議論。

「NHK が民営化されると見たい番組がなくなる→金払ってスカパーに加入して下さい。」で議論がおわる気がする。

テレビ番組は(チョコレートと違って)大勢の人が見てもなくならないという意味で非競合財なので議論がむずかしくなるんだと思う。でも、試聴者ごとに課金する仕組みを導入できるようにして、テレビ局に広告収入だけで行くか課金込みで行くかを選択させればいい。テレビ番組を準公共財にできる。

デジタル放送に移行するので、そうなればアナログ放送の時と違って課金の仕組みを実現するのはそれほど難しくはない。B-CASをちょいといじればいいような。

_ [ネット] ITにまつわる15の俗説・都市伝説を斬る

「磁石はデータを駄目にする」って言うじゃな〜い。

_ [映画] マインドゲーム

今田耕司は良い演技をしていた。さすが吉本新喜劇の座長。島木譲二も割と良かった。さすが「ブラックレイン」出演者。藤井隆もまあ良かった。坂田師匠も良かった。

というわけで、「マインド・ゲーム」ですよ。先週見に行って、少し時間が経って改めて思うのは、この作品、自分が今まで見てきた映画、実写もアニメも全部含めてその中でダントツでいちばん面白いってことですよ。まあ、普段ほとんど映画を見ない僕がこういうこと言っても全然重くないんですけどね。とにかく映画でこんなにはまった作品ははじめてです。それだけに、思わず「上映してるの、東京でここ1ヶ所だけなんだよね?」と聞き返してしまいそうになる、あの映画館の客入りの少なさが気にならずにはいられません。もし僕が映画の制作者だったらショック死するよあれは。だって、この作品って”わかる人だけわかる”みたいな、胡散臭い作品じゃないんだもんね。正面切っての娯楽映画なんだもん。満員の映画館で見たいよ、絶対!

http://www.charapit.com/wd/0408_2.htm

というわけで見てない人は是非。

http://d.hatena.ne.jp/yoshikawa-42/20040814#p1

http://d.hatena.ne.jp/yoshikawa-42/20040815#p1

湯浅監督インタビュー。

http://www.onozomi.com/cinema/040806_interview.html

http://www.mindgame.jp/special/interview_p1.html

_ LLW

一応ここは「Lightweight Language」に関するイベントということを意識してか、最後に話題になったのが「実装言語と処理速度の関係」について。

http://pcweb.mycom.co.jp/articles/2004/08/11/llweekend/001.html

これ僕がした質問だ。

あの暗い会場でプロだとどんな写真をとるんだろうと思ったら、やっぱりボケていた。プロのカメラマンじゃなくてライターがとったのかな。

_ [本] 理想の本屋

こんなのが僕の理想の本屋です。

総冊数は1万冊程度。ひと目で店内を見渡せるくらいの規模。大きい本屋は移動するのが疲れる。棚の高さは胸より低く、視界をさえぎらない。店内を見渡せばひと目でどの棚に何があるか分かる。テーブルが2卓。それぞれに座りやすい椅子を2脚ずつ。

雑誌。まんが雑誌、ゲーム雑誌、週刊誌、ファッション雑誌、旅行雑誌、スポーツ雑誌、料理雑誌は全て置いてない。論壇誌もない。置いてあるのは PC 関係と学術関係、科学、経済関係のみ。

新書は1冊も置いてない。全く必要ないし。

文庫は岩波文庫のみ。

単行本。小説は1冊も置いてない。各学術分野(理系文系問わず)に関する本は200冊くらいずつ専門書・学部生向けの教科書8割、一般向け2割の割合で新刊を中心に置いている。PC 関係の本も新刊を中心に置いている。ノンフィクションの翻訳ものも置いてある。

店員はかわいくて愛想がいい。ブックオフみたいにうるさくはない。客が少ない。英会話の勧誘員がいない。

以上。

上の例は偏りすぎている気もする。けど、総冊数が50万冊のただでかいだけの本屋をひとつ作るよりも、小さいけど とんがった本屋を10軒作ってひとつのビルのフロアに押しこめた方がずっとおもしろいと思う。

_ それでは

六区ほど勧めますんで。そらさないで下さい。


2004-08-21

_ [ネット]

追加。面白過ぎる。Winny の議論と全然関係ないところで。


2004-08-22

_ [映画] ディープブルー

見てきた。退屈な映画だった。

_ おいしそうだった

ちょうどお腹の減ったお昼頃に見たので出てくる魚がみんなおいしそうに見えた。ほ乳類に関してはさすがにおいしそうには見えなかったけど。

アザラシ肉の缶詰の通販。アザラシカレートドカレー。とりあえずカレーにしておけば肉の臭みは取れるだろうけど、なんでもカレーにすればいいってもんでもないと思う。シャチに食われていたのはアシカでしたっけ。

イルカは美味しい食べ物です!イルカを料理しちゃいました (^○^)。静岡ではイルカの肉が普通に売られているらしい。

イルカは、伊豆の味の中でも特筆すべきものの一つである。ちょうど秋の稲刈りの時分になると、イルカが出まわり始める。イルカは初秋から冬のものが脂に臭みが少ない。この時期になると新ゴボウが出まわってくるが、このゴボウのかおりがイルカに良く合う。イルカ料理でも、伊豆地方のおふくろの味といえば味噌煮で、ゴボウやこんにゃくなどと煮る。

また、イルカのタレ(みりん干し)には、マイルカの腹の肉が使われる。漬け汁につける時間と干す時間は、どう食べるかによる。保存食にするには、良くつけてカタボシにする必要がある。すぐ焼いて食べるならば、一時間もつければ十分である。真っ黒な肉の干物は、はじめての人には異様な印象が強いかもしれないが、細く割いて酒のつまみなどにすれば、抵抗なく食べられる。

イルカの肉や干物は、伊東、松崎、仁科などの魚屋で、近年では伊豆、駿河の町のスーパーマーケットにも時期になれば出まわっている。

静岡県の郷土料理


2004-08-23

_ [経済] 納税者番号制度

私も納税を機械的に処理するのは歓迎だ。面倒くさい毎年の確定申告の作業も不要になる。

http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20040822#p1

納税者番号制度が導入されても確定申告自体はなくなりません。納税者番号制度が導入されると納税者は自分の納税者番号を併記して確定申告を行うことになります。納税者番号制度のメリットは端的にいって脱税の防止です。お役所は上品に「適正・公平な課税の実現」といいます。この制度のもとでは脱税がより困難になります。

あと税制改革。民間の経済活動をゆがめないようなより理想的な税制度に変えていく上でも、納税者番号制度は必要です。

以下のような制度が採用された場合、逆に納税者番号制度のもとでは確定申告を行う人の数が増える場合もあります。

仮に、利子所得等も含めた総合課税化を行う場合には、まず、膨大な数の預金口座からの利子所得について資料情報の提出を求めることとなり、さらに、利子所得以外の各種の金融商品に係る所得についても同様に資料情報の提出が求められることとなります。また、現在、給与所得者の多くは年末調整によって納税が完結していますが、総合課税化に伴い、ほとんどの納税者が確定申告書を提出することとなります。

http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/tosin/zeichof/z028.htm

_ [経済] コメの自由化

岩田規久男氏はマクロ経済や金融政策以外に関する本も書いている。例えば大蔵省の金融行政の失敗を告発した『金融法廷』とか日本経済の色んな制度改革を提言した『スッキリ!日本経済入門』とか。どっちもかなりおもしろい。

とはいえ、本当かどうかは知らないけど、

私は岩田先生の授業を受けているが(実のところ、岩田先生の場合、本よりも授業の方が過激発言が飛びだして面白い)本人が授業中に話していたところでは、皮肉なことに、どうやら本書よりも上級の「デフレの経済学」の方がよく売れたそうだ。要するに、大衆受けを狙ったが売れなかった、ということらしい。

Amazon.co.jp: 本: スッキリ!日本経済入門

とかいう情報もあったりして、Amazon で売上順に並べてみてもリフレ本に比べると売れてないようだ。

で、岩田規久男著『嘘ばっかりの「経済常識」』。これもおもしろい。その中のコメの自由化に関する以下の文章が切れまくっていた。

野坂さん(引用注 作家の野坂昭如)や井上さん(引用注 作家の井上ひさし)におっしゃってください。そもそも、自由とか文化というものを分かってらっしゃらないって。たとえ、コメが日本文化だとしても、強制的に食べさせて守るべきもんじゃありません。そういうのは、ヒットラーとかフセインと同じ独裁者の発想ですね。

嘘ばっかりの「経済常識」(P64)

素晴らしい。

_ [国際]

まじで。

_ [経済] Google の IPO

最後のドタバタ「Google、IPO公募価格を引き下げ」、「Googleが証券法違反の可能性」はよく分からなかった。

まず、IPO の成功を初日に株価が上がったかどうかで判断するのは根本的に間違っている。

上場初日に株が安値で売買されると投資銀行家は不安を覚えるとLupatkinはいう。投資家は、それを株式「破綻」のサインと受け取る場合があるからだ。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0408/20/news057.html

こんなことは投資銀行が勝手に言っているだけで、本当に投資家がそう思うかは分からない。

The success of a traditional IPO is often counted by the size of the pop but that is ridiculous.A pop means the firm left money on the table - money which was transferred to a handful of insiders who were allocated stock at the low IPO price. A pop is thus the sign of a bad IPO not a good one.

http://www.marginalrevolution.com/marginalrevolution/2004/08/dutch_auction_i.html

なんだけど、スラッシュドットの記事。Google's IPO Trading Defies Dutch Auction Logic?記事で紹介されている Google delivers pop despite auction は、初日の株価の上昇をつくり出すために Google がわざと公募価格を下げたのではないかと言っている。

もしこれが本当だとして、手に入るお金が減るにもかかわらず、どうして Google の創設者たちは公募価格を下げたんだろう。うーん。

_ [ネット] はてな規約改正問題

はてな利用規約の改定案の公衆送信権条項に問題があるとの指摘。

はてなダイアリー日記のコメント欄でも同様の指摘があったようだ。はてなダイアリー日記は毎日読んでいるのに気がつかなかった。はてなダイアリー日記のコメント欄はノイズが多すぎて読む気がしなくて読んでなかった。ので気がつかなかったのだろう。何か別のうまい仕組みを考える必要があると思う。

_ [ネット] はてなポイントと源泉徴収

「はてな利用規約」の第7条7項って大丈夫なんだろうか。

ポイントの換金において源泉徴収の対象となる弁護士、司法書士、医師などの職業を有するユーザーは、当社において10%又はその他適用のある税率により所得税の源泉徴収を行った上で換金します。当該ユーザーは換金前に源泉徴収の対象となることを当社に通知するものとします。不通知などにより弊社が被った一切の損害、損失又は費用は当該ユーザーが負うものとします。

http://www.hatena.ne.jp/help/rules

「源泉徴収の対象となる弁護士、司法書士、医師などの職業」という文の意味が分からない。

所得税法

第204条(源泉徴収義務)

居住者に対し国内において次に掲げる報酬若しくは料金、契約金又は賞金の支払をする者は、その支払の際、その報酬若しくは料金、契約金又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までに、これを国に納付しなければならない。

2.弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金

http://www.houko.com/00/01/S40/033C.HTM#s4.4

というのはありますが、これは「業務に関する報酬又は料金」なわけで。少なくともはてなポイントとは全く関係ない。はてなポイントに関連してはてなに源泉徴収義務が発生するかどうかは分からない。源泉徴収義務が発生する場合はユーザーの職業が何であろうが「役務の提供を約することにより一時に取得する契約金で政令で定めるもの」として義務が発生するのでは。

税理士に相談した方が良いと思う。相談した結果が「はてな利用規約」の第7条7項なのかもしれないけど。


2004-08-24

_ [映画] プ

というタイトルの映画がある

_ _


2004-08-25

_ [ネット] Felica

FeliCa携帯「Edyの使い方」Edyを移し変える方法

ついにEdyの夢がかなう〜ビットワレットJR東が「Suica携帯」に求める条件とは?

am/pm が近所にないので Edy を使う機会が非常に少ない。


2004-08-26

_ [ネット] デザインケータイ

au design project に対抗して考えてみた。

スウォッチケータイ。普通のケータイにスウォッチが埋め込んである。ボディはスケルトンで時計部分のムーブメントが外から見えるようになっている。別にロレックスケータイでもいいけど、スウォッチの方が現実味がある。決して腕時計型ケータイではない。腕時計替わりにケータイを使っている人のためのケータイ。

輪島塗ケータイ。ボディが輪島塗。別に輪島塗でなくてもいいけど、ボディの素材がプラスチック以外のケータイが欲しい。マグネシウム合金とか。

全面タッチパネルケータイ。テンキーのかわりにタッチパネルを使用。用途によってボタンが変わる。ニンドンドー DS のパクリ。

ガメラ付きケータイ。ガメラが付いている。

_ [本] フィクションを読まない

という話題。

僕の小説の挫折歴。宮部みゆきの『火車』を読むも途中で挫折。以後、宮部みゆきの作品は読んでいない。高村薫の『照柿』を読むも途中で挫折。以後、高村薫の作品は読んでいない。司馬遼太郎の『菜の花の沖』を読むも第1巻の途中で挫折。以後、司馬遼太郎の作品は読んでいない。

京極夏彦の作品は前は好きだったけど、『陰摩羅鬼の瑕』を読んでどうでもよくなった。

スティーヴン・キングの作品を読んだのは『グリーン・マイル』が初めてだった。恐ろしく退屈だった。以後、スティーヴン・キングの作品は読んでいない。小野不由美の『十二国記』は好きだけど『屍鬼』は信じられないくらい退屈だった。最後まで読み通せたのが奇跡に近い。以後、小野不由美の作品は読んでいない。というか、『十二国記』の新作はいつ出るんだろう。

佐藤賢一『王妃の離婚』はおもしろかったけど、作者の他の作品を読みたいとまでは思わなかった。

ゲーテ『ファウスト』、カフカ『変身』。当然、途中で挫折。なんでこんな作品を読もうと思ったのか自分でも謎。

『指輪物語』は第2巻の最初のあたりで挫折。映画は面白かった。

フィクションを楽しむというのは結構難しい。

挫折した本スレ。


2004-08-27

_ [国内] 個人情報流出事件リスト

記事の見出しの単なる一覧なんだけど、どんな個人情報流出事件があったかを知るのに便利。「個人情報保護ちゃんとやってます」じゃ通じない、説明責任を果たすべきも。

_ [映画] マインド・ゲームのトークイベント

マインド・ゲームのトークイベントに関する詳しいレポート。ネタバレ多数。

_ [経済] オープンな規格を選択するかどうか

経済書などでは規格で主導権をとって製品開発や特許で優位に立つというストーリーがよく書かれていますが、そんなのは経済学者の方々が想像の世界だけ。

http://home.att.ne.jp/sigma/satoh/diary.html

経済学の本にはそんなことは書いていません。経済学者が言っているのは「企業はある技術を自社だけで使い続けるか、オープンな規格として他社にも提供するかを戦略的に選択する」ということです。

ある種の技術を自社だけで使い続ければ、その技術の市場から得られる利益を独り占めすることが出来ます。しかし、その技術を使った製品を自社だけでしか生産しない場合、製品の種類も少ないままなので、市場自体が成長しないかも知れません。それに比べたら技術を公開して、他社にも使ってもらって、市場を成長させた方が、独り占めしていた時に比べて逆に利益を増えるかも知れません。ネットワークの外部性。『ネットワーク経済の法則』。

どのようにすれば利益を最大化できるかを考えて企業は行動するというのが経済学者の言っていることです。ある技術をオープンな規格にして、なおかつ主導権を握れるようなおいしい話があるなら企業は迷わずそのような戦略を選択するでしょう。しかし、一企業が主導権を握れるような規格を他の企業が受け入れるとは思えません。

_ [ネット] お前ら、どんな三脚使ってますか? 2

2ちゃんねるには色んなスレがあるなあと思った。三脚にも色々あるんですね。


2004-08-28

_ 小物の撮影

小物をきれいに撮影する技術はオークションの出品などでは必須。前に撮った PiTaPa があんまりだったんで再挑戦。

前回。

今回。

本の画像久門易著『標準デジカメ撮影講座』を読めばこれくらいすぐに上達する。商品撮影を詳しく扱っている。小物、食べ物、食器、おもちゃ、衣服、店内風景など。風景の撮影は扱っていない。とても参考になる。

同じ著者による「デジタルカメラ入門」、「デジタルカメラ入門 II」。本に書いてあることは、ほとんど載ってますね。本を買わなくてもよかったかな。

それにしても、グラデーションペーパーって何でこんなに高いんだ?


2004-08-29

_ [映画] スパイダーマン

本の画像借りてきてみた。そんなにおもしろくなかった。映画館で見た『スパイダーマン2』は割とおもしろかった。

何もない平原で戦うと弱そう。

_ [まんが] しゃにむにGO 第18巻

青春だねえ。

_ [国内] 同人誌はなぜ訴えられないか

レッシグ『Free Culture』を読んでいる。以下のよう箇所があった。

なぜこの同人誌文化による「フリーな利用」をブロックしようという広範な動きが起きないんだろう。私は日本で四ヵ月のすばらしい時を過ごし、その間に誰にでもこの質問をしてまわった。結局のところ一番いい説明をしてくれたのは、日本の大手法律事務所に勤める友人だった。ある午後、かれはこう語った。「日本には弁護士が十分にいないんですよ。こんな事件を訴追するだけの余裕がないだけです。」

P42

「弁護士の料金が高いから」というのは理由になっているようでなっていないことが多い。前に書いた「なぜアメリカは訴訟社会で、日本はそうでないか」を参照。

日本の弁護士は供給を制限されている。かつ、弁護士法により弁護士以外が法サービスを提供することを禁止されている。これは一種のカルテルと見なすことが出来る。しかし、企業は弁護士資格は持っていないけど法サービスを提供できるくらい法に詳しい人を雇うことはできる。そうして企業は独占価格でない市場価格で法サービスをある程度受けることができる。以上がマーク・ラムザイヤーが『法と経済学』の中で行っている議論。

さて弁護士費用よりも同人誌を訴えることによって得られる利益の方に注目しよう。著作権者が同人誌を訴えて勝訴すると損害賠償を受け取れて、同人活動を禁止することが出来る。著者と出版社が同人活動を訴えないのは、同人誌制作者を訴えることによって得られる利益が訴訟を起こしたくなるほどには多くないからだと考えられる。

同人活動の損害賠償の算定がどうなるかはよくわからない。ので損害賠償の利益はひとまず置いておく―多分そんなに高くはならないと思う。同人活動を禁止することによって著作権者が得られる利益だけを考える。同人誌がオリジナルの著作物の売上を損ねることがあるとは思えない。同人誌は違法コピーじゃないわけだし。また、同人誌はもとの著作物からライセンスを受けた商品―ノートとか、鉛筆とか、目薬とか―とも競合しない。同人誌を禁止することによって得られる利益はまあほとんどないだろう。

というわけで、同人誌を訴えないのはコストが高いからじゃなくて、訴えることによって得られる利益が少ないからだと僕は考える。

話はここで終らない。

ということは、訴えることによって得られる利益が多くなれば同人活動に対する訴訟も増えるはずだ。それはどんな場合だろうか。とりあえず思いつくのは、「キャラクター使用に関する正式なライセンスを同人活動に対して与える仕組みが出来た場合」だ。現在のところ同人活動に対して正式なライセンスを与える仕組みはほとんどない(ワンフェスぐらい?)。

もしそのような仕組みが出来た場合、ライセンスを受けない同人活動を訴えることによって得られる利益は現在よりも増える。多くの同人活動にライセンスを受けさせれば、それだけ収益が増えるからだ。またライセンスを与えることが出来ないような内容の同人活動に対しても訴訟を行うようになるだろう。ライセンスを受けられるような内容の同人活動を行えという裏の意味をこめて。

つまり、ライセンスを提供する仕組みが出来ると、それを利用させるために訴訟を起こすインセンティブが著作権者および著作権等管理事業者に発生する。そう JASRAC のように。

_ [ネット][著作権] Posner 判事がゲストブロガー

スゴすぎる。Posner 判事は「法と経済学」のチョー偉い人。学者から判事になった。

こうした著作権の濫用にはどう対処すべきだろうか。ひとつの可能性として、わたしがWIREdata事件への判決文pp. 11-12で仮説として提案したのは、著作権の誇大な主張を著作権の悪用(ミスユース)とみなし、権利の失効を招くとすることだ。詳細な議論についてはKathryn Judgeによる興味深い論文を参照されたい。

http://blog.japan.cnet.com/lessig/archives/001563.html

いいね。


2004-08-30

_ [ネット] 古写真リンク集

素晴らしい。骨ニュースより。


2004-08-31

_ [ネット] FeliCaとポスターを連動させた広告「Feliポ」

ガッ!

それはそれとして「EdyとSuicaは『やはり共存できる』その理由は?」。セブンイレブンとローソンがどっちを採用するかで決まると思う。でもセブンイレブンはアイワイバンク銀行と連係したカードを作ってきそう。

どうでもいいけど、「アイワイバンク銀行」という名前はどうなんだろう。

_ [ネット] Mac OS X でも苦労

久しぶりに Flash MX を起動してみたら色々たいへんだったという話。Mac OS X でも割と泥臭いことやらないといけないんですね。

_ http://www.fotolog.net/sheepman/

なんだか始めてみた。

_ [国際][ネット] リチャード・ポズナーとブラの色

現在 Lessig blog のゲストブロガーをしているポズナー判事の偉さがこれを読めば分かるというわけでもないんだけど紹介。

_ [著作権] 三田誠広氏は貸本屋を始めるべきだ

少し前の著作権分科会での話題。作家の三田誠広氏は中古本に対して中古ゲームと同じような見直しを要求した。そして以下のような発言した。

引用者補足:三田)氏によれば、推理小説等も一度読んで古本屋に追いやられてしまうタイプのものであり、1回使用されただけで中古屋に追いやられて、結果として作者に収入が入らないという点では同じだろうとのことだ。

K’s Diary @ hatenaCopy & Copyright Diary

なら三田氏は著作権分科会に出席なんかしていないで、貸本屋を始めるべきだ。そして推理小説家は貸本屋専門作家になればいい。

以下のように貸本屋を利用すれば、現在の著作権制度のもとで氏の望むものは実現可能だ。

作家は書いた小説を一般流通にのせず書店で一切売らない。代わりに貸本屋でだけ貸し出すようにする。そうすれば、読みおわった小説が古本屋に売られることはない。三田氏によれば読みおわった推理小説を売りたいという読者が多いとのことだが、最初から安めのレンタル料金で貸し出せば、このような「一度読んでおしまい」の読者のニーズを満たすことができる。

そういった「読んだあとは本を売りたい」という読者のニーズを十分満たした後で、一般の書店で小説を販売すれば、読みおわった小説が古本屋に売られることはない。一般書店での販売後も「一度読んでおしまい」の読者は貸本屋で借りるだろう。

本を所有したいという読者もいるかもしれない。書籍を貸本屋で借りた一定期間のあとに、レンタル料金に上乗せして料金を払う。そうすると、借りていた書籍がユーザーのものになる。このようなサービスを行えば、本を所有したいという読者のニーズにも応えることができる。

三田氏は発売後六ヶ月間の「貸出猶予」を図書館に要望している。この貸本屋の仕組みならいくらでも猶予期間を設けることができる。一般書店での販売を猶予期間の分だけ遅らせれば猶予期間は実現できる。

図書館での貸出猶予や中古本からの報酬が作家の利益を増やすというなら、上のような貸本屋でも同じように利益は増えるはずだし、作家や出版社はみなよろこんで参加することだろう。

貸本屋が成功するかどうかは僕には分からない。でも案外、10年後には上に書いたような貸本屋がありふれた存在になっているかも知れない。少なくとも、三田氏が自分の言っていることを信じているのなら、氏のすべきことは著作権分科会でのレントシーキングではなく、貸本屋を始めることだ。現在の著作権制度のもとで氏の望むものは実現可能なのだから。

そう、そして ACCS の加盟ゲーム会社は上と同じ理由でレンタルゲーム屋を始めるべきだ。


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