私も納税を機械的に処理するのは歓迎だ。面倒くさい毎年の確定申告の作業も不要になる。
納税者番号制度が導入されても確定申告自体はなくなりません。納税者番号制度が導入されると納税者は自分の納税者番号を併記して確定申告を行うことになります。納税者番号制度のメリットは端的にいって脱税の防止です。お役所は上品に「適正・公平な課税の実現」といいます。この制度のもとでは脱税がより困難になります。
あと税制改革。民間の経済活動をゆがめないようなより理想的な税制度に変えていく上でも、納税者番号制度は必要です。
以下のような制度が採用された場合、逆に納税者番号制度のもとでは確定申告を行う人の数が増える場合もあります。
仮に、利子所得等も含めた総合課税化を行う場合には、まず、膨大な数の預金口座からの利子所得について資料情報の提出を求めることとなり、さらに、利子所得以外の各種の金融商品に係る所得についても同様に資料情報の提出が求められることとなります。また、現在、給与所得者の多くは年末調整によって納税が完結していますが、総合課税化に伴い、ほとんどの納税者が確定申告書を提出することとなります。
岩田規久男氏はマクロ経済や金融政策以外に関する本も書いている。例えば大蔵省の金融行政の失敗を告発した『金融法廷』とか日本経済の色んな制度改革を提言した『スッキリ!日本経済入門』とか。どっちもかなりおもしろい。
とはいえ、本当かどうかは知らないけど、
私は岩田先生の授業を受けているが(実のところ、岩田先生の場合、本よりも授業の方が過激発言が飛びだして面白い)本人が授業中に話していたところでは、皮肉なことに、どうやら本書よりも上級の「デフレの経済学」の方がよく売れたそうだ。要するに、大衆受けを狙ったが売れなかった、ということらしい。
とかいう情報もあったりして、Amazon で売上順に並べてみてもリフレ本に比べると売れてないようだ。
で、岩田規久男著『嘘ばっかりの「経済常識」』。これもおもしろい。その中のコメの自由化に関する以下の文章が切れまくっていた。
野坂さん(引用注 作家の野坂昭如)や井上さん(引用注 作家の井上ひさし)におっしゃってください。そもそも、自由とか文化というものを分かってらっしゃらないって。たとえ、コメが日本文化だとしても、強制的に食べさせて守るべきもんじゃありません。そういうのは、ヒットラーとかフセインと同じ独裁者の発想ですね。
嘘ばっかりの「経済常識」(P64)
素晴らしい。
まじで。
最後のドタバタ「Google、IPO公募価格を引き下げ」、「Googleが証券法違反の可能性」はよく分からなかった。
まず、IPO の成功を初日に株価が上がったかどうかで判断するのは根本的に間違っている。
上場初日に株が安値で売買されると投資銀行家は不安を覚えるとLupatkinはいう。投資家は、それを株式「破綻」のサインと受け取る場合があるからだ。
こんなことは投資銀行が勝手に言っているだけで、本当に投資家がそう思うかは分からない。
The success of a traditional IPO is often counted by the size of the pop but that is ridiculous.A pop means the firm left money on the table - money which was transferred to a handful of insiders who were allocated stock at the low IPO price. A pop is thus the sign of a bad IPO not a good one.
http://www.marginalrevolution.com/marginalrevolution/2004/08/dutch_auction_i.html
なんだけど、スラッシュドットの記事。Google's IPO Trading Defies Dutch Auction Logic?記事で紹介されている Google delivers pop despite auction は、初日の株価の上昇をつくり出すために Google がわざと公募価格を下げたのではないかと言っている。
もしこれが本当だとして、手に入るお金が減るにもかかわらず、どうして Google の創設者たちは公募価格を下げたんだろう。うーん。
はてな利用規約の改定案の公衆送信権条項に問題があるとの指摘。
はてなダイアリー日記のコメント欄でも同様の指摘があったようだ。はてなダイアリー日記は毎日読んでいるのに気がつかなかった。はてなダイアリー日記のコメント欄はノイズが多すぎて読む気がしなくて読んでなかった。ので気がつかなかったのだろう。何か別のうまい仕組みを考える必要があると思う。
「はてな利用規約」の第7条7項って大丈夫なんだろうか。
ポイントの換金において源泉徴収の対象となる弁護士、司法書士、医師などの職業を有するユーザーは、当社において10%又はその他適用のある税率により所得税の源泉徴収を行った上で換金します。当該ユーザーは換金前に源泉徴収の対象となることを当社に通知するものとします。不通知などにより弊社が被った一切の損害、損失又は費用は当該ユーザーが負うものとします。
「源泉徴収の対象となる弁護士、司法書士、医師などの職業」という文の意味が分からない。
所得税法
第204条(源泉徴収義務)
居住者に対し国内において次に掲げる報酬若しくは料金、契約金又は賞金の支払をする者は、その支払の際、その報酬若しくは料金、契約金又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までに、これを国に納付しなければならない。
2.弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金
というのはありますが、これは「業務に関する報酬又は料金」なわけで。少なくともはてなポイントとは全く関係ない。はてなポイントに関連してはてなに源泉徴収義務が発生するかどうかは分からない。源泉徴収義務が発生する場合はユーザーの職業が何であろうが「役務の提供を約することにより一時に取得する契約金で政令で定めるもの」として義務が発生するのでは。
税理士に相談した方が良いと思う。相談した結果が「はてな利用規約」の第7条7項なのかもしれないけど。
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