12人の死者を出したエヴェレストの遭難事故に、たまたま遠征隊のメンバーとして居合わせ生還した著者による手記。この遠征隊は参加者がガイドにお金を払ってエヴェレスト山頂までサポートしてもらう、営業遠征隊であった。著者もエヴェレストにおけるこのような営業の取材を目的として、遠征隊に参加していた。著者はもともと相当の登山好きで、登山に関する知識も豊富。エヴェレストのような高高度の山に登るということがどういうことであるか、僕のような全くの素人にも分かるように鮮明に書かれている。
で、エヴェレストの遭難事故とは全く関係ないことなんだけど、僕が読んでいて驚いたことがひとつある。それは登山家たちがある種独特の共同体を形成しているということ。登山家たちの間には、何人もの有名なクライマーが存在して、誰それの何年のどこそこでの登山はすごいとか、場合によっては〈伝説〉になっていたりするらしい。つまり、すごい登山とそうでないものとを区別する価値基準を彼らは共有しているようだ。登山家がどういう人達かというのはいままで考えたこともなかったけど、なんとなく孤高というイメージを持っていた気がする。どうやら違うらしい。時代毎に登山家たちのヒーローがいて、彼らのあこがれの的になっていたりする。この本によれば。
遭難事故そのものに関しては、原因はこれだとひとつに断定した書き方はされていない。僕も読んでいて「根本的な原因はエヴェレストに登ろうとしたことなんじゃないか」と思ったりもした。で、本を読んで分かったこと。エヴェレストのような高高度の山では、当然のごとく酸素がうすい。また、酸素ボンベを無尽蔵に山頂まで持っていくことは出来ない。必要最低限か、あるいはボンベなしで登らなければならない。そのため、低酸素により、単に体力を消耗するとか高山病になるとかだけでなく、脳に酸素がいかず意識は朦朧となり判断力自体が低下してしまう。これは想定外の事態に直面したときに、正しい決断を下すことを難しくする。
加えて、この遭難事故においてはガイドのうち全員が無線機を持ってたわけではなかった。このため、ガイド同士が密に連絡を取り合って情報を交換し、全体の状況を把握するということが出来なかった。ならガイド全員が無線機を持っていて、酸素ボンベをすっていたら事故は防げたのかというと、そういうものでもないんじゃないかというのが僕の印象。
11歳の時のたった一度の喫煙の研究(n=260)で、継続しなかった生徒も全く喫煙しなかった生徒(n=1719)に比べて後に喫煙する傾向がある。それは喫煙しない3年後であっても、その影響は続くのである。14歳時のオッズ比は、一度もためしてない群と比較して、一度だけ喫煙した群では2.1 (95%CI 1.2-3.5)である(性、民族、貧困度、両親の喫煙、疾患補正後)
これだと、たった一本のタバコを吸ったからその後もたばこを吸うようになったのか、一本でもたばこを吸うような人は(性、民族、貧困度、両親の喫煙、疾患などの影響を取り除いても)もともとタバコを吸いやすいだけなのかを区別できないんじゃかないかと、ふと思った。そこらへんをどう議論しているのか、原論文を後で読もう。
PS3は確かに高いけど、ゲーム用のPCをゼロから組むことに比べたら安いし場所も取らないよね。よく知らないけど。さすがに発売日には恐くて買えないけど。それよりも、ただでさえ大きいXbox 360に外付けHD DVDドライブをつけさせるという発想はすごいなと思った。
del.icio.us では他人のブックマークを network に登録すると、登録したユーザのブックマーク一覧を得ることができる。同じように、タグを inbox に登録すると、登録したタグでタグ付けされたブックマークの一覧を得ることができる。ただ、これだけだと粒度が大きすぎて、欲しい分野の情報を絞り込んで得ることが難しい。そこで、このふたつを組み合わて、特定のユーザの特定のタグだけを inbox に登録しておくと、割といい感じに絞り込まれたブックマークリストを得ることが出来る。
などを現在のところ inbox に登録している。あと、はてなブックマークの「デジモノ」をRSSリーダに登録している。
今気付いたけど、del.icio.us の他人の inbox って見ることが出来ちゃうのね。
SHA256.hexdigest が IO オブジェクトを受け付けるようにしたらどうでしょう。
hxdgst = File.open(filename){|io| Digest::SHA256.hexdigest(io) }
と書けます。これなら StringIO や open-uri とも親和性が高い気がします。新しいメソッドを覚える必要がない。長いけど。
日本がクロアチアに勝って、ブラジルがオーストラリアに負けて、1勝1敗同士で6月22日にガチンコ勝負という展開を希望。
いやでも、Article 5 の本文によると、
Article 5
Criminalization of participation in an organized criminal group
1. Each State Party shall adopt such legislative and other measures as may be necessary to establish as criminal offences, when committed intentionally:
(a) Either or both of the following as criminal offences distinct from those involving the attempt or completion of the criminal activity:
(i) Agreeing with one or more other persons to commit a serious crime for a purpose relating directly or indirectly to the obtaining of a financial or other material benefit and, where required by domestic law, involving an act ndertaken by one of the participants in furtherance of the agreement or involving an organized criminal group;
(ii) Conduct by a person who, with knowledge of either the aim and general criminal activity of an organized criminal group or its intention to commit the crimes in question, takes an active part in:
a. Criminal activities of the organized criminal group;
b. Other activities of the organized criminal group in the knowledge that his or her participation will contribute to the achievement of the above-described criminal aim;
(b) Organizing, directing, aiding, abetting, facilitating or counselling the commission of serious crime involving an organized criminal group.
なんで、締約国は (a)(i) (共謀罪) と (b) あるいは (a)(ii) と (b) のどちらかの組合せを選んで犯罪としないといけない。Article 5 の解説を読むと
49. The approaches countries have adopted so far vary depending on historical, political and legal backgrounds. Broadly speaking, the criminalization of participation in organized criminal groups has been achieved in two different ways. Common law countries have used the offence of conspiracy, while civil law jurisdictions have used offences that proscribe an involvement in criminal organizations. Other countries combine such approaches. The Convention does not deal with prohibition of membership in specific organizations.
51. The Convention aims at meeting the need for a global response and at ensuring the effective criminalization of acts of participation in criminalgroups. Article 5 of the Convention recognizes the two main approaches to such criminalization that are cited above as equivalent. The two alternative options of article 5, paragraph 1 (a) (i) and paragraph 1 (a) (ii) were thus created to reflect the fact that some countries have conspiracy laws, while others have criminal association (association de malfaiteurs) laws. The options allow for effective action against organized criminal groups, without requiring the introduction of either notion―conspiracy or criminal association―in States that do not have the relevant legal concept. Article 5 also covers persons who assist and facilitate serious offences committed by an organized criminal group in other ways.
(a)(i) と (a)(ii) のふたつの選択肢(the options)があるのは、共謀罪は主にコモンロー体系で採用されていて、参加罪は大陸法体系で採用されているんで、どっちの法体系に属しているかで選べるように、(a)(i) と (a)(ii) を用意しました、と書いてある。だから、『「共謀罪」か「犯罪の結社」(参加罪)の概念の「両方とも」を導入する必要はないけれど、どちらか一方は導入しなければならない、という政府・与党の主張』は正しいと思う。
ただ、(a)(ii)は〈犯罪の結社への参加〉ではなくて、実際の犯罪行為への参加 (a)(ii) a. か、あるいは犯罪行為を支援する行為への参加 (a)(ii) b. のどちらかということになっている。んで、『The Convention does not deal with prohibition of membership in specific organizations.』だそうで、(a)(ii) というかこの条約は『特定の組織への参加の禁止を取り扱っていない』んだそうな。
だから、「共謀罪」を選ばない場合は、「organized criminal group」という概念は作らないといけなといけない。けど、〈犯罪結社への参加〉を罪にする必要はなくて、犯罪の実行行為(とその幇助)への参加を罪とすればいい。で、これは、従来の日本の刑法で十分対応可能なような気がする。大陸法の日本がなぜ共謀罪を採用するのかが良く分からない。
というようなことが議論されているのだろう。
議論されていた。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000216420060517008.htm
割と多くのアドレスに同じ内容のメールを送信するちゃんとした方法を調査中。別にスパムを送りたいわけじゃないのですが。悪意ある第3者が悪用できないような仕組みを構築したい。
王道は「(常用SMTPサーバとは別の)専用SMTPサーバ + SMTP_AUTH か何かちゃんとした認証機構」でしょうか。これでも、送りたいメールアドレスのグループが複数あって、グループにメールを送ることができる人がグループ毎に違う場合、単純な SMTP 認証では要求を満たせないんだけど。
「メーラーでアドレス帳 + BCC」という方法は、間違って CC で送ってしまうかも知れないので却下。
「SMTPサーバ + CGIスクリプト + Basic 認証 over SSL」は管理が面倒。
「メーリングリストソフト + S/MIME」。送られてきたメールの電子署名を検証してからメーリングリストのメンバーに転送するようなことが出来るはずと思って検索してみたけどなかった。うーむ。
「fml + PGP/MIME」は MUA が Outlook なので却下。
結論としては「制限したSMTPサーバ + ssh」で、やり過ごそうかなと。localhost でしか接続を受け付けないSMTPサーバをWebサーバとして使っているマシンに立てて、クライアントからは ssh でポートフォワーディング接続。あんまり賢くないやり方だなあ。
実はサッカーをあまり知らなかったんで、Jリーグの試合を見に行ったりして、その面白さを研究しました。気付いたのは、サッカーって点が入らないことが面白いんですね。試合を見ていて、一番盛り上がるのは、シュートがポストを叩いた瞬間でしょう。みんなが頭を抱えたり、「あー」と声を上げたりする。点が入りにくいことで、弱いチームがマグレで点を決めて勝ったりもしますよね。こうした何とも言えない「もどかしさ」が面白いと思って、監督の視点で試合はほとんど見ているだけ、というゲームにしたんです。
現実を単純化してゲームに落とし込むための観察力がずば抜けている。
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