佐藤俊樹氏が日経で変なことを書いていた。地方への財源と権限の委譲に関して。
東京都の銀行課税を大阪府がすぐさままねたように、日本の自治体には「成功例」をコピーしたがる癖がある。そのため、どこかが特色ある施策をうちだしても、まねが続出して、結局横ならびに終る。
もし本気で(地方自治体同士が)業績主義で競争するのであれば、財源確保や権限委譲だけでは不十分である。知的財産まで守る必要があるのだ。企業同様、各自治体のビジネスモデルも保護する。例えば、「成功例」をまねしたければ、最初に思いついた自治体にアイデア使用料を払うようにすれば良い。
「がんばり」測る尺度重要 佐藤俊樹 日経経済教室(2004/01/27)
特許制度は企業の横ならびを防ぐための制度ではない。発明を保護することによって、発明へ投資するインセンティブを企業に与えるための制度だ。
またいわゆる「ビジネスモデル特許」は「ビジネスモデル」なら何でも特許になるというわけではない。かつ、競争を阻害する点において「ビジネスモデル特許」はメリットよりもデメリットの方が大きいと僕は考える(ここら辺は勉強中)。
真似をする事は企業同士の競争ではよくあることであり、それこそがイノベーションの原動力となる。競争相手が真似をするので、他者が真似できないようなもの、真に革新的なものへ企業は投資するようになる。
真に優れた政策ならそれを他の自治体が真似することを阻害するような制度は有害でしかない。東京都の銀行課税が優れた政策かどうかは置いといて。
このように考えると地方自治体にビジネスモデル特許と類似の権利を与えるというのはメリットよりもデメリットの方が大きい。
都市間の競争に関しては原田泰氏の「日本の失われた十年」に少し書いてあった。都市政策に関しては八田氏と岩田氏の「日本再生に『痛み』はいらない」が割と詳しい。もっと専門的な本も探せばあると思う。
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