マシンが重いのでtopを見てみたら、広告除去プロクシの privoxyが暴走していた。正規表現のマッチングでバックトラックをし続けているらしい。フィルターの正規表現を気をつけて書けば良いのだろうけど、ミスは付きもの。 setrlimit で子プロセスのCPU時間を制限。
正規表現の意図しない動作というのは、気づくのが難しい。
アナビッシュ・ディキシット著「経済政策の政治経済学」を読んでいたら保護貿易、特にアメリカでの砂糖の貿易に関する興味深い事実が書かれていた。第一に、輸入割当や価格支持などによる産業の保護は保護政策として非常に非効率であること。第二に、このような政策が採用されている原因は利益団体の存在だけでは説明できないこと。
輸入品との競争にさらされている産業を保護するために、輸入割当や関税の引き上げが採用される。例えば、日本への生糸の輸入は現在でも制限されている。生糸を輸入するには現在でも担当官庁の認可が必要。
一般的にこのような輸入制限による保護政策は非常に高くつく。
輸入競争に悩まされる産業で一つの職を守るために、消費者にかかる負担は、多くの場合、従業員の給与の数倍にあたる数十万ドルに達する。
「経済政策の政治経済学」(P35)
つまり、輸入を制限するよりも輸入を自由化して、かわりに保護貿易で恩恵を受けていた企業に補助金を直接与える方が経済全体としてみた場合ずっと安上がりな保護政策となる。
なぜこのような「効率的な」保護政策が採用されないのだろう。
また保護政策が採用される説明として利益団体の存在と、負担の非対称が挙げられる。消費者が自由貿易から受ける恩恵は合計すれば大きいが、ひとりあたりでは小さくなってしまう。逆に、利益団体が保護貿易から受ける恩恵は合計では小さいが、ひとりあたりでは大きくなる。
具体的にアメリカの砂糖産業でこれを計ると以下のようになる。
1980年代後半にはアメリカにおける砂糖の価格支持および輸入規制は、消費者に一人当たり11ドル50セントの費用をもたらし、一方で1万にのぼるテンサイ(砂糖大根)農場に各々5万ドル、サトウキビ農場には各々50万ドルの便益をもたらした。
「経済政策の政治経済学」 (p70)
このようにして、ひとりあたりの保護貿易から受ける恩恵あるいは費用の違いが保護貿易が採用される政治的な原因のように思える。クルーグマンも同様の趣旨のことを「クルーグマン教授の経済入門」(P175)で書いている。
しかし、この話には続きがある。砂糖の輸入を制限することによって利益を得る人たちがいるなら、安い砂糖を輸入することによって利益を受ける人たちもいるはずだ。例えば、お菓子業界やドリンク業界。彼らはロビー活動を通じて、砂糖の輸入自由化を働きかけることはないのだろうか。
その見掛けにもかかわらず、砂糖産業はクライアント政治の好例になっていない。アメリカにおける砂糖の購買量の7割以上が産業利用者(ソフトドリンク製造業者、パン類製造業者、製菓製造業者など)によるもので、これらは砂糖の価格低下によって便益を得るだけでなく、砂糖生産関係者が保護のためにロビー活動を行なえるのと同様に、圧力団体を組織して価格を引き上げ擁護政策に抵抗することが可能なのである。ところが実際には、これらの利用者は生産者の利益に対して無抵抗であるだけでなく、むしろ支持していたくらいなのである。これは、謎として残されている。
「経済政策の政治経済学」 (p71)
さらに、
アメリカの消費者が、情報を得て、砂糖価格を引き下げる活動を起こしても、大きな便益は得られない。しかし、票に結びつく問題を探している議員候補者は、これらの消費者全体に対して情報を与え、彼らの支持を得るようなよりよい政策を提案できる。言い替えれば、「政治企業家」は情報収集のために必要な資源を使い、行動を起こし、もともとの非効率な状況に存在する「政治裁定」の機会を利用しようとするのである。
「経済政策の政治経済学」 (p71)
謎は依然残されたまま。
再発見。
「恐がり - 模倣犯」や「カルテ0「DIMEという病」」で頻繁に取り上げられている「DIME」が何のことか分からなかったので検索して調べた。
DIMEというのは隠語のつもりはあまりなくて、他に妥当な日本語がないから用意した、というのが誰も知らない実情(僕も知らない)。
ということらしい。
■2■では、DIMEとはなにか?
結論からいうと、俺もよく分かりません。おそらくは、「DIMEという雑誌を読んでいそうな人たち」という意味なんだと思います。
よくみたらカルテ0「DIMEという病」にもDIMEとは何かという説明があった。
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