脳ざらし紀行


2005-06-05

_ ディープスロート

うちのワイフがこう訊いてきたのさ。「ねえ、あなた。どうしてワシントン・ポスト紙の記者は、ポルノ映画のタイトルを情報提供者のコードネームに選んだのかしら。」

おれはこう答えたね。「そりゃ、ニクソン元大統領は昔 "Tricky Dick" と呼ばれていたからさ。」

_ ディープスロート

英語の「deep throat」という熟語にもともと「内通者」という意味はなかった。ウォーターゲート事件で使われてから、「内通者」という意味でも使われるようになった。参考、Deep Throat

なお映画の方の『ディープスロート』に主演したリンダ・ラブレイスは後にポルノ撲滅運動に力を注ぐようになる。

ラブレイスは決して出たくてポルノ映画に出たわけではなかった。最初の夫に脅され暴力をふるわれて仕方なく出たのだ。そしてそれはまさに、彼女が夫から離れて人生をきちんとやり直そうと決心したときに起こった。

80年に上梓したラブレイスの自伝"Ordeal"(「試練」の意味)で、彼女は最初の夫から性的虐待を含むさまざまなドメスティックバイオレンスを受けていたことを告白し、ポルノ映画では「夫に銃で脅されて出演した」としている。そして「ディープスロート」は大ヒットしたものの、ラブレイスの夫には小額しか支払われず、そしてラブレイス本人には一銭も支払われなかった。

こういった事情から、彼女がのちにポルノ撲滅運動に身をおくのも理解できる。彼女は2002年に交通事故で亡くなってしまった。

  "Virtually every time someone watches that movie, they're watching me being raped."

  「実質的に、だれかがその映画(「ディープスロート」)見るたびに、その人たちが見ているものはわたしがレイプされているところです。」 (リンダ・ラブレイス 1986年、米国議会の証言において)

巣窟日誌

_ [まんが] 明朗健全始末人 ソノラマコミック文庫

本の画像明智抄の初期の名作が復刊でございます。

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