だより。
また ロルフ・デーゲン著『フロイト先生のウソ』を読んでいて飛び上がるくらい驚いたので書く。
『フロイト先生のウソ』の第4部第1章「一〇パーセント神話」では「人間の脳は10%しか使われていない」という俗説を色々な実験結果を紹介しながら否定している。その中で脳のエネルギー消費に関する話題がでてくる。良く知られているように脳は人間のからだの総エネルギー消費の20%を占めている。では、思考量が増えると脳のエネルギー消費も増えるのだろうか。それとも減るのだろうか。
陽電子放射断層撮影法(PET)のような、脳内のどこでどれだけエネルギーが消費されているかを映像で示すシステムが開発されて以来、研究者たちは、「仕事量を増やすためにはより多くの燃料がいる」という「蒸気機関式思考法」と決別した。最近の実験は全て、特定の頭脳労働を再短時間でこなした最も明晰な頭脳のエネルギー消費量がもっとも少ないという結果を示した。言い換えれば、問題を解くのが遅い人は速い人よりも消費電力が大きいということである。
『フロイト先生のウソ』 P347
なんだか消費電力が大きいくせに遅いってどこかの CPU みたいですね。ここまでだと「そうなんだ」で終ってしまうけど、ここからがおもしろい。
頭脳労働にしろ肉体労働にしろ、習熟度が高まるにつれて脳の活動量は低くなる。アメリカの研究者グループが、伝説的なコンピュータゲーム「テトリス」を使った実験でこれを明らかにした。落下してくるブロックを必死になってさばいている初心者の脳は、神経回路の巨大なネットワークをフル稼働させていた。ところがゲームをマスターしてしまうと、彼らの脳の活動範囲は最小になった。この新しい「オームの法則」――知能は脳の仕事量に比例し、脳のエネルギー消費に反比例する――は、脳波計を使った実験でも裏付けられた。複雑な問題を再短時間で解いた被験者の脳波の変化がもっとも少なかった。
『フロイト先生のウソ』 P348
これってそのまま「ゲーム脳」の話じゃないか!! つまり森氏が観測した「ゲーム脳」っていうのは、上の実験のとおり脳のエネルギー消費が減って問題を効率良く解いている状態を見ていただけだったんだ。
多分以下がデーゲン氏が参照したであろう論文。巻末には載っていなかった。
親告罪について告訴がなければ逮捕されないと考えられている方がいますが、告訴は公訴提起の要件(訴訟条件)であって、捜査の要件ではありません。
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