スーザン・シャラー著「言葉のない世界に生きた男」、読了。
コミュニティカレッジに手話通訳のボランティアとして訪れた著者が、生まれてから大人になるまで一度も言葉を教わったことのない聾者インデルフォンソと出会う。シャラーはインデルフォンソへ言葉を教えることを買って出る。果たしてシャラーは、言葉の存在さえ知らないインデルフォンソに言葉を教えることが出来るだろうか。
著者の感じたこと、考えたことが率直に語られている。一体何処から溢れてくるのだろうと思うくらい、本書は著者の情熱で満ちている。
シャラー氏が言語あるいは聾唖者教育の専門家ではない点、インデルフォンソが既に成人してしまっている点などの困難を、シャラー氏の情熱とインデルフォンソの言葉という未知のものへの好奇心で乗り越えていく。
単に音がないだけでなく、言葉のない世界とはどういったものなのか。言葉という存在自体を知らない人間には世界はどのように見えるか。そのような人間はどのように思考するのか。
といった疑問に、この本は答えているともいえるし、全然答えてないともいえる。著者がこれらの疑問に興味があることだけは確か。
すごく面白かった。
簡単なようですが難しいです。
自分が興味のない話題に関して、マスメディアあるいはネットで話題になっているという理由だけから、日記に何か書くということはしないようにしています。
あるいは、「下らない話題だな、興味ない」と思っても「下らない。興味ない。」というようなことは書かないようにしています。
頭に浮かんだことを書いて吐き出してしまうと、書いた本人は気持ち良いかも知れません。が、読む人にとって何の価値もないです。また、あとから自分で読んでも気持ちの良いものではないです。
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