岡倉徹志著「サウジアラビア現代史」、読了。
サウジアラビアの現代史がコンパクトにまとまっている。題名のとおり。読んでおもしろいかというと、そうでもない。ざっと概観するには便利。
「サウジアラビア」は「アル・サウード家のアラビア」という意味。文字どおり「サウジアラビア」がサウード家の所有物であることを表している。
『1998年の国家収入約313億ドルのうち、王族給与が100億ドルから150億ドル、国防費に100億ドル』(P237)という予算配分にもそれがあらわれている。
ロバート・ベア著「CIAは何をしていた?」を読了。中東や中央アジアでCIAの諜報員を勤めた著者による活動記録。および、事なかれ主義に陥っていくCIAに対する批判。活動記録の方が本書の大半を占める。ジョージ・クルーニー主演で映画化予定。
めちゃくちゃおもしろい。細部にわたる描写とテンポの良い構成、飽きさせない展開は読みものとして無類の出来である。
著者が批判するCIAの事なかれ主義の原因は政治的な意志の不在であるように僕には思えた。CIAも政治の指示のもとに行動する官僚組織である以上、ホワイトハウスが諜報活動に興味がなければ、官僚組織の常として事なかれ主義に傾いてしまうだろう。
BBCの記事。さて、どうなる。
現代中央アジアに関する本をと思って探してみたら、アハメド・ラシッド著「よみがえるシルクロード国家」というのがあった。と思ったら品切れ。うーん。1996/09発行なんですけど。もう品切れか。
ちなみにアハメド・ラシッド氏は「タリバン」の著者。話題になった本の著者なんだけど品切れ。古本でも手に入れるのは無理っぽい。
現代中央アジアに関する本は他に無いかな。「ロシア現代史と中央アジア」。7000円は高い。「中央アジア・旧ソ連イスラーム諸国の読み方」。これも品切れ。「中央アジアの行方―米ロ中の綱引き」。これも品切れ。「聖戦」。同じくアハメド・ラシッド氏による著作。
「さまよえるロシア」。「中央アジアを知るための60章 エリア・スタディーズ」。「中央アジアと湾岸諸国」。「ラディカル・ヒストリー」。
「CIAは何をしていた?」の最後の章第4章に登場するおたずね者のビジネスマン、ロジャー・タムラズ(Roger Tamraz)に関する記事へのリンク。適当に検索して見つけた。カスピ海油田はクリントン政権のときから焦点になっていたのか。
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