定額小為替というものを今まで知らなかったんですが、こんな便利なものがあったから今まで個人間の小額決済サービスというものが流行らなかったんだなあと思いました。
ブロック・イェイツ著『エンツォ・フェラーリ』(集英社文庫)、読了。電脳空間カウボーイズで取り上げられていたので読んでみた。すげえよ、この人。
イタリア フェラーリ社の創始者の一生を綴ったノンフィクション。人生をカーレースに捧げた人。
絶対に自分の上司にしたくない人ではある。レースに負ければドライバーのせいにし、勝てば自分の手柄としたり。部下がいくら進言しても最新の技術を導入することを拒んで古い技術に固執し、レースで惨敗し続けてから渋々採用すしたり。自社の自動車の購入者をレース資金の金づるとしか思っていなかったり。なんというか、非常にアクの強い人物です。
お金と人を他所から引っ張ってくることに長けていて(レースチームのボスにとっては何より重要な能力)、ただひたすらカーレースに勝つことだけを追求し出場し続けたその情熱は本物だった。いっしょに働くのは願い下げですが、レースチームのファンからみるとこれほど魅力的な大将もそうはいないでしょう。メディアへの露出とファンからの熱烈な崇拝により「北の法王」と呼ばれたのもむべなるかなと言う感じです。
今でもカーレースに危険は付きものですが、昔のレースは比べものにならないくらい危険だったようで、本文中 何人ものドライバーと巻き込まれた観客が死んでいきます。なかでもイタリアの公道レース「ミッレ・ミリア」の記述が凄い。
郊外のアウトストラーダでは子どもが(レースコースの)道路を横断したり自転車で路肩を走ったりした。町なかではいきがった若者たちが 全速力で走るマシンのフェンダーを触ったりした。のん気な農民は畑へ行くためにトラクターでコースになっている道を走ったりした。
ブロック・イェイツ著『エンツォ・フェラーリ』(集英社文庫) P300
1957年 フェラーリのデ・ポルターゴが死者11人(自身と同乗者のナビも死亡)、重傷者21人の大事故を起こし、ミッレ・ミリアは以後行われなくなります。
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