結婚式の場合、二人で人生を歩むというコミットに反する行動(つまり離婚)をとった場合、莫大な損失を負うようにしなければならない。高い費用をかけて結婚式を行ってしまった場合、それをキャンセルしたときに費用が無駄になってしまう。だから高い費用をかけた結婚式の方が、コミットメントとしては有効である。
コミットメントとサンクコスト(埋没費用)の理解が間違っている。結婚式の費用はすでに払ってしまった費用で戻ってはこない。サンクコストだ。だから離婚するかしないかには影響しない。
離婚するかどうか悩んでいる人は、
「離婚した時に得られる効用 - 離婚の費用」
と
「結婚を続けた時に得られる効用 - 結婚を続ける費用」
を比べて離婚するか結婚を続けるかを決める。このとき結婚式の費用は考慮されない。なぜなら、もうそれは離婚しようが結婚を続けようが、払ってしまったことにはかわりないからだ。
すでに払ってしまって戻ってこないようなコストのことを「サンクコスト」といい、サンクコストは人々の行動に影響を与えない。
しかしながら、サンクコストはコミットメントを達成する時によく使われるのは事実。
コミットメントとは「私はこう考えていて、こういう行動をとります。」と宣言してそのとおりに実行しようとすることだ。これだけなら「好きにしたらいいやん。」で終ってしまう。だけど、結婚などのように自分の行動が相手の行動に影響を与える場合、さらに相手の行動が自分の利得に影響する場合にはコミットメントが重要になる。自分のこれからの行動を宣言し信じてもらうことで相手の行動を限定し、それによって自分の利得を増やすことができる。
自分のいったことを信じてもらうにはもう後には引けないような状況を自分から作り出せばいい。例えば「背水の陣」は「もう逃げない」という一種のコミットメントだ。そして後には引けないような状況を作り出すには、払ってしまって戻ってこないようなコスト―サンクコスト―を利用することができる。
例えば「結婚してくれ」と言って数百万を本当にドブに捨てれば―結婚式は金をどぶに捨てるようなものだと言っているのではないよ―、「この人は結婚することに数百万以上の価値を見いだしている」と相手は信じるだろう。(そして、金をドブに捨てるような人とは結婚しないだろうとかは言わない。)
相手に自分の言っていることが本気だと思わせるにサンクコストが使われる。
このように考えると、おとぎ話の「かぐや姫」は言葉だけでは愛を信用できなかったかぐや姫が貴族たちにコミットメントを求める物語なのですね。
『トッツィー』で
だんだん女に見えてくるのが不思議。吉本新喜劇の桑原和男みたい。
と言われたり、『ヒーロー 靴をなくした天使』で
やっぱり大物より、チンケな泥棒の方が似合っている。
と書かれていたりするのを読んで、ダスティン・ホフマンを見たくなったので。
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