ラヴフールより。ゲームの面白さは「リスクとリターン」だと桜井氏は説明する。
緊張と緩和の繰り返しがゲームで一番 脳汁が出まくる瞬間だと確かに思う。危険を冒して成功した時の達成感をくり返しプレイヤーに与えることがゲームの本質。同じ刺激が続くとプレイヤーは飽きてくるので刺激にヴァリエーションを付ける。あるいは、緊張を長時間 強いられることはプレイヤーの負担になるので、間に適度に休憩を入れてみたりする。あるいはステージの長さ、ミッションの長さを集中力が続く程度に調整する。
「緊張と緩和の繰り返し」だけだと、どんなに工夫してもいずれは飽きる。そこで例えば「偶然性」による驚きや、ストーリーが進展して「達成感」を徐々に強めていくことが必要になるんだと思う。
The Trembling of a Leaf と Marginal Revolution より。
謎工さんの「『著作権保護の最適水準』が経済学の一ジャンルとして広く研究されている」に関して。「法と経済学」という分野が経済学にはあって、これは法律を経済学のツールを使って分析を試みるものです。最適な法制度や規制を求める研究も「法と経済学」では盛んで、「著作権保護の最適水準」の研究もその一環としておこなわれていると僕は理解しています。経済学は専門じゃないけど。
しかし、細かい分野分けなど飾りでしかないというのは、どの学問でも同じで、「法と経済学」の専門家しか「法律と経済」に関して研究していないというわけではないです。
記事で取り上げられている Strumpf助教授の Research Interests は「公共経済学・政治経済学・応用ミクロ経済学」だそうです。
何が言いたいかというと「著作権保護の最適水準」の研究はあることはある。けど、「著作権法」(などの知的財産法)が法学において占めているのと同じような位置を、「著作権保護の最適水準」の研究が経済学において占めているわけじゃない。たぶん。
なんせ法学の場合は弁理士だとか著作権法専門の弁護士だとか専門家に対して社会的なニーズがあるし。
ちょっと前のいちごのスレ。2000年あたり。ドーマーの条件に対する批判。
ソーシャルネットワークは切手収集と同じだ。全部を集めるまでは気が済まないし、全てを集め終えると虚しくなる。
Guardian紙の記事。マレーシアの選挙でイスラーム主義の政党が大幅に議席を減らした。それに関する分析。4月に選挙のあるインドネシアでも同じようにイスラーム主義政党は議席を減らすだろうと予測。
ざっと読んだ。統計をちゃんと勉強しなくちゃと思った。
CD 売上げの統計は、ファイル共有がある場合のものしか原理的に得ることができない。現実にファイル共有は行なわれているわけだから。そこで CD の売り上げに与えるファイル共有の影響をどうやって調べるか。
ファイルのダウンロード数が多いアルバムほど売上げも多かったとする。だからといってファイル共有がアルバムの売上げに貢献しているとはいえない。単純に人気のあるアルバムは良く売れるし良く共有されるというだけの話だ。知りたいのは相関関係ではなくて因果関係だ。
では、観測期間を前期と後期にわけて前期のダウンロード数と後期の売上げを比べてみたらどうだろう。これも駄目だ。前期のダウンロード数が多いのはアルバムに人気があるからで、後期の売上げが良いのもまた同じ。因果関係を調べることができない。
でもここで、もしダウンロード数がアルバムのリリースとは全く関係ない理由で前期に増加した場合はどうだろう。例えばネットの混雑が解消したとか。その場合は後期の売上げを調べれば、ファイル共有と CD の売上げの因果関係を調査することができる!!
Oberholzer 助教授と Strumpf 助教授は実際に OpenNap のログで個々のアルバムのダウンロード数を調べ、同時にファイル共有のコストの変化(ネットの混雑具合、ファイルのサイズ、ドイツの厨房が休みになる季節)も調べてファイル共有とアルバムの売上げの因果関係を調べた。
で、ファイル共有の売上げに対する影響は現在のところ統計的に無視できるほど小さいというのが結論。
直接観測できないものをあの手この手で推定するが実証研究の醍醐味らしいです。良く知りませんが。
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