脳ざらし紀行


2004-03-13

_ 数式の後ろのコンマ

数式の後ろには 「フルストップ(ピリオド)」 や 「コンマ」 が必ず打たれている。

あらきけいすけの研究日誌

このままでは誤解される可能性があります。もう少し言葉を付け足す必要があると思います。

アカデミックな文章では、数式も文章の一部と解釈してピリオドやコンマが打たれます。だから、数式の後ろにピリオドが来るのは、通常の英文と同じく「文がそこで終わる」ときです。文が続くならピリオドは打ちません。コンマの場合も同様に、通常の英文でコンマを打つのと同じときにコンマを打ちます。

例。

show that

 \int^{\inf}_{0}\frac{sin x}{x}dx \; = \; \frac{\pi}{2} .

Show that

 \int^{\inf}_{0}e^{-\frac{x^2}{2} } \: sin \: xy \: dx \; = \; e^{-\frac{y^2}{2} }\int^{y}_{0}e^{-\frac{t^2}{2} } \: dt

for y ≠ 0.

T.W.Korner著『Exercises for Fourier Analysis』より。一つめの例では、数式の後ろで文が終わるので数式のうしろにピリオドが来ています。二つめの例では、2行目の数式の後にピリオドもコンマも来ません。

_ [ネット] 約物とHTML

「約物」とは文字と数字以外の記号のこと。「」『』〈〉・;:…‥など。

『理科系の作文技術』では約物の使い方にも詳しく触れている。木下氏の説明では、

  • カギカッコは会話文・引用に使う。観念をはっきり浮き出たせるときにも使う。
  • 二重カギカッコは書名を引用するときに使う。また、カギカッコの中でカギカッコが出てくる場合にも使う。
  • ギュメ〈〉は「いわゆる…と言いたいとき」・「ことばを特別な用法で使うとき」・「そのことばに特別な注意を惹きたいとき」に使う。
  • なかぐろ・は並列して書くときに使う。
  • ダッシュ―はカッコの代わりや、複雑な構造の複文を読みやすくするために使う。
  • コロン:は要約や説明に使う。
  • セミコロンは読点よりも強い区切りに使う。

となる。

気になったのは、ネット上で文章を書く時に、HTMLでの記述と約物での記述とをどのように折りあいを付けるかということ。約物は文章のある種の構造を表すもので、それはHTMLも同じだ。ふたつのやり方で同時に文章に構造を入れてしまうのは賢いやり方ではない。約物・HTMLのどちらかに統一すべきだろうか。HTMLを捨て去るのはネット上では無理なので、約物による文章構造の表現を控えた方が良いのだろうか。

と考えて、HTMLの仕様書を読み返して、上の約物に対応するようなHTMLの要素が存在するか探してみた。HTMLの仕様書は難しいなって思った。

_ [まんが] よみきりもの

本の画像竹本泉著『よみきりもの』、読了。おもしろい。

「23世紀の人にとって人類の月面初着陸は歴史上のできごとであって、20世紀のできごとなのか、21世紀のできごとなのか、一般人は知らない」という感覚は竹本氏独特だと思う。

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