スティグリッツ、グリーンウォルド著「新しい金融論」を読んでいます。現在、第7章。
さて「新しい金融論」とリフレ政策は矛盾しません。スティグリッツ自身が2003年4月の日本での講演でそのように言明しています。
Deflation, Globalization and The New Paradigm of Monetary Economics
スティグリッツがこの講演を行った当時は政府紙幣の発行を提案したとしてマスコミで騒がれていました。しかし、実際の講演では金融論の新しいパラダイムを概観しつつ、日本経済のデフレに「新しい金融論」を適用して分析しています。
Deflation, particularly unexpected deflation, leads to real balance sheet effects which can adversely affect aggregate demand
This is in addition to traditional real interest rate effects
Deflation, Globalization and The New Paradigm of Monetary Economics(P16)
要するにフィッシャーのデットデフレーションの議論です。だから、当然インフレにする必要があるとスティグリッツは言います。
Shifting from deflation to inflation may help balance sheets undoing damage that deflation has done in increasing real value of debt
But some institutions with a maturity mismatch may find their balance sheet hurt may need to have inflation or interest rate puts
Shifting from deflation to inflation may lead to lower real interest rates
Deflation, Globalization and The New Paradigm of Monetary Economics(P18)
インフレ起こしてバランスシートを改善しようと言っています。岩田規久男氏らが言っていることとほぼ同じですね。極めつけは、
Strategy was tried in Sweden in Great Depression - worked
Deflation, Globalization and The New Paradigm of Monetary Economics(P22)
大恐慌時代のスウェーデンの例まで持ち出しています。おお、リフレ派とまるっきり一緒ですね。
さて、「新しい金融論」の枠組でどんな風にリフレが正当化されるかを詳しく見ると以下のようになります。以下は僕が本を読んで考えただけなので間違っているかも知れません。
こんなふうになります。
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