あまり出来はよろしくない。言っていることには同意するけど。
僕は最近では大学の生協の本屋と図書館とネット書店でしか本に触れることがない。さらに、専門書だからといって「わかりにくい」と思うことはないし、一般向けだからといって「わかりやすい」と思うことも個人的にはない。数式が書いてあろうがなかろうが別に違いを感じない。
だから「エコノミストミシュラン」のような「一般向け」のコンセプトの本を太田出版から出すことにどれほどの意味があるのか僕にはよく分からない。
他のインフレ目標やデフレに関しての本に比べたら優れている点はあまりない。わかりやすいとも思えない。でも、こういった形式の本を分かりやすいと思う人がいるのかもしれない。なら意味があるのだろう。その人が何を分かったのかは疑問だけど。
リフレ本が普段並ぶ棚とは違う書店の棚に、この本が並ぶだけでも意味があるのかな。
田中秀臣が岩井克人著「会社はこれからどうなるのか」を以下のように扱き下ろしていた。
軽薄な本である。また不正直な本ともいえる。一見するとその主張はいわゆるリフレ派と親和的である。しかし本書の通奏低音は、時代へのおもねりである。
(中略)
わかりやすくいえば「グローバル化」「IT革命」「金融革命」「ポスト産業資本主義」というキャッチコピーが議論の前提で採用され、その中味がちっともわからないうちに、われわれは日本の会社制度の「問題」に突き進むことになる。この点が評者が軽薄と時代へのおもねりを感じたところだ。
「エコノミストミシュラン」(P185)
僕は「会社はこれからどうなるのか」を読んでないのであまりいえないけど、この書評はたぶん妥当。お金と暇とやる気が出来たら読んでみる。
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