クルーグマンのエッセイ。非常に興味深い。農奴制の衰退は黒死病の流行や貨幣経済の発展が原因として一般には説明されている。しかしそれは違うのではないかという Evsey Domar の論文を紹介している。
土地の供給が限られている条件の下、競争的な労働市場を仮定する。人口が増えつづけたため労働の限界生産物は人が生きるのに最低限の量であるとする。このとき労働市場は競争的なので人を雇うために払う賃金は「人が生きるのに最低限の量」と同じである。
この状況で一体農奴を食わせておく理由があるだろうかいやない。「人が生きるのに最低限の量」を払って労働市場から雇えばいい。このようにして農奴制は衰退した。
話はここで終らない。もし何かの理由で土地の供給が増えたとしよう。このとき農奴制は復活するのではないだろうか。そしてこれこそが18世紀後半の拡張主義のロシアで起こった「再版農奴制」である。
アメリカ大陸への扉が西欧に開かれる(つまり土地の供給が増える)と農奴制はさまざまなかたちで復活した。そのひとつが奴隷制である。
カナダの一般紙 Toronto Star の RFID 関連の記事。一般紙でRFIDとプライバシーとの関係が取り上げられているのがポイント。Google News で「Privacy RFID」で検索して見つけた。
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