Ruby 1.9.2 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > 組み込みライブラリ > SystemCallErrorクラス

class SystemCallError

クラスの継承リスト: SystemCallError < StandardError < Exception < Object < Kernel < BasicObject

Abstract

Ruby の実装に用いられているシステムコールまたは一部の C 言語関数が失敗した時に発生する例外です。 システムコールの失敗した原因を表すエラーコードを保持します。

多くの場合、実際には SystemCallError そのものではなく サブクラスである Errno::EXXX (XXX はエラーコードの値によって異なる。 システム定義のエラー名と同じ名前) が発生します。 詳しくは Errno::EXXX を参照してください。

特異メソッド

new(error_message) -> SystemCallError

SystemCallError オブジェクトを生成して返します。

[PARAM] error_message:
エラーメッセージを表す文字列

例:

p SystemCallError.new("message")
    # => #<SystemCallError: unknown error - message>
new(error_message, errno) -> SystemCallError
new(errno) -> SystemCallError

整数 errno に対応する Errno::EXXX オブジェクトを生成して返します。

整数 errno をシステムコールで発生したエラーの原因を示すコードであると解釈し、 対応する例外クラスのインスタンスを生成して返します。

生成されるオブジェクトは SystemCallError の直接のインスタンスではなく、サブクラスのインスタンスです。 それらのサブクラスは Errno モジュール内に定義されています。 対応するサブクラスが存在しないコードを与えた場合には、 SystemCallError の直接のインスタンスが生成されます。

エラーコードの取り得る値および意味はシステムに依存します。詳しくは Errno::EXXX を参照してください。

[PARAM] error_message:
エラーメッセージを表す文字列
[PARAM] errno:
システム依存のエラーコード
[EXCEPTION] TypeError:
errno を整数に変換できないときに発生します。
[EXCEPTION] RangeError:
errno が Fixnum で表せる範囲を超えるときに発生します。

例:

p SystemCallError.new("message", 2)
    # => #<Errno::ENOENT: No such file or directory - message>
p SystemCallError.new(2)
    # => #<Errno::ENOENT: No such file or directory>
p SystemCallError.new(256)
    # => #<SystemCallError: Unknown error 256>

インスタンスメソッド

errno -> Fixnum | nil

レシーバに対応するシステム依存のエラーコードを返します。

エラーコードを渡さない形式で生成した場合は nil を返します。

begin
  raise Errno::ENOENT
rescue Errno::ENOENT => err
  p err.errno                 # => 2
  p Errno::ENOENT::Errno      # => 2
end

begin
  raise SystemCallError, 'message'
rescue SystemCallError => err
  p err.errno                 # => nil
end

なお、例外を発生させずにエラーコードを得るには、 Errno::EXXX::Errno 定数を使います。

Methods

Classes