Ruby 1.9.2 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > zlibライブラリ > Zlib::ZStreamクラス
class Zlib::ZStream
クラスの継承リスト: Zlib::ZStream < Object < Kernel < BasicObject
Abstract
圧縮データを扱うストリームを表す抽象クラスです。 具体的な圧縮/展開の操作は、それぞれサブクラスの Zlib::Deflate, Zlib::Inflate で定義されています。
Zlib::ZStream オブジェクトは、ストリーム (struct zstream) の 入力側 (next_in) と出力側 (next_out) にそれぞれ可変長の バッファを持ちます。以下、入力側のバッファを「入力バッファ」、 出力側のバッファを「出力バッファ」と呼びます。
Zlib::ZStream オブジェクトに入力されたデータは、一旦入力バッファの 末尾にストアされた後、ストリームからの出力がなくなるまで (処理後 avail_out > 0 となるまで) 入力バッファの先頭から順に処理されます。 処理の間、出力バッファは全出力を保持するために必要に応じて自動的に 確保・拡張されます。
いくつかのメソッドは、出力バッファ内のデータを取り出し、 String オブジェクトとして返します。
以上を図示すると次のようになります:
+================ an instance of Zlib::ZStream ================+ || || || +--------+ +-------+ +--------+ || || +--| output |<---------|zstream|<---------| input |<--+ || || | | buffer | next_out+-------+next_in | buffer | | || || | +--------+ +--------+ | || || | | || +===|======================================================|===+ | | v | "output data" "input data"
入力バッファの内容を処理している最中にエラーが発生した場合、 Zlib::Error のサブクラスの例外が発生します。その時、 入力/出力バッファは共に、エラーが発生した時点の状態をそのまま 保持します。
特異メソッド
new -> ()
-
直接使用しません。 通常、具体的な圧縮/展開を行う場合は、 Zlib::Deflate.new もしくは、Zlib::Inflate.new を使用します。
[SEE_ALSO] Zlib::Deflate.new, Zlib::Inflate.new
インスタンスメソッド
adler -> Integer
-
alder-32 チェックサムを返します。
avail_in -> Integer
-
入力バッファに溜っているデータのバイト数を返します。通常は 0 です。
avail_out -> Integer
-
出力バッファの空き用量をバイト数で返します。 空きは必要な時に動的に確保されるため、通常は 0 です。
avail_out=(size) -> Integer
-
出力側のバッファに size バイトの空きを確保します。 すでに size バイト以上の空きがある場合、バッファは 縮められます。空きは必要な時に動的に確保されるため、通常 このメソッドを使う必要はありません。
- [PARAM] size:
- 出力バッファのサイズを整数で指定します。
- [RETURN]
- size を返します。
close -> nil
end -> nil
-
ストリームを閉じます。 以後、このストリームにアクセスすることはできなくなります。
closed? -> bool
ended? -> bool
-
ストリームが閉じられている時に真を返します。
data_type -> Fixnum
-
ストリームに入力されたデータの形式を推測します。 返り値は Zlib::BINARY, Zlib::ASCII, Zlib::UNKNOWN の いずれかです。
finish -> String
-
ストリームへの入力を終了し、出力バッファをフラッシュします。 より具体的な振る舞いは Zlib::Deflate#finish, Zlib::Inflate#finish を参照して下さい。
[SEE_ALSO] Zlib::Deflate#finish, Zlib::Inflate#finish
finished? -> bool
stream_end? -> bool
-
ストリームへの入力が終了している時に真を返します。
flush_next_in -> String
-
入力バッファに残っているデータを強制的に取り出します。
flush_next_out -> String
-
出力バッファに残っているデータを強制的に取り出します。
reset -> nil
-
ストリームの状態をリセットします。 入力/出力バッファ内に残っていたデータは破棄されます。
total_in -> Integer
-
ストリームに入力されたデータの総バイト数を返します。
total_out -> Integer
-
ストリームの出力したデータの総バイト数を返します。