Ruby 1.9.2 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > socketライブラリ > BasicSocketクラス
class BasicSocket
クラスの継承リスト: BasicSocket < IO < Enumerable < File::Constants < Object < Kernel < BasicObject
Abstract
ソケットを表す抽象クラスです。具体的なソケット操作はサブクラスで 定義されます。 例えばインターネットドメインストリームソケットの場合は TCPSocket を用います。
特異メソッド
do_not_reverse_lookup -> bool
do_not_reverse_lookup=(bool) -> bool
-
この値が真ならアドレスからホスト名への逆引きを行わなくなります。 デフォルトは false です。この設定は大域的に作用します。
以下のメソッドの動作に影響します。
- BasicSocket#recv
- IPSocket#recvfrom
- UNIXSocket#recvfrom
- Socket#recvfrom
- IPSocket#addr
- IPSocket#peeraddr
- Socket.getaddrinfo
- [PARAM] bool:
- この値が真ならアドレスからホスト名への逆引きを行わなくなります。
例:
require 'socket' p TCPSocket.new('localhost', 'telnet').addr TCPSocket.do_not_reverse_lookup = true p TCPSocket.new('localhost', 'telnet').addr => ["AF_INET", 2253, "localhost", "127.0.0.1"] ["AF_INET", 2254, "127.0.0.1", "127.0.0.1"]
for_fd(fd) -> Object
-
ファイルディスクリプタ fd に対する新しいソケットを生成します。 このメソッドは Socket クラスからこのクラスに移動しました。 これにより、任意のソケットである fd から対応するソケッ トクラスを作ることができます。
- [PARAM] fd:
- ファイルディスクリプタ を指定します。
- [RETURN]
- 任意のソケットである fd から対応するソケットクラスを作り、それを返します。
インスタンスメソッド
do_not_reverse_lookup
do_not_reverse_lookup=(bool)
-
アドレスからホスト名への逆引きの設定をソケットごとに設定します。 初期値はソケットを生成したときの BasicSocket.do_not_reverse_lookup になります。
getpeername -> String
-
接続の相手先のソケットの情報を取得します。sockaddr 構造体をパッ クした文字列を返します。getpeername(2) を参照してください。
例:
serv = TCPServer.open("", 0) c = TCPSocket.open(*Socket.unpack_sockaddr_in(serv.getsockname).reverse) s = serv.accept addr = c.getpeername p addr #=> "\002\000\267\214\177\000\000\001\000\000\000\000\000\000\000\000" p Socket.unpack_sockaddr_in(addr) #=> [46988, "127.0.0.1"] p addr == s.getsockname #=> true
getsockname -> String
-
ソケットの情報を取得します。sockaddr 構造体をパックした 文字列を返します。getsockname(2) を参照してください。
例:
serv = TCPServer.open("", 0) p serv.getsockname #=> "\002\000\236C\000\000\000\000\000\000\000\000\000\000\000\000" p Socket.unpack_sockaddr_in(serv.getsockname) #=> [40515, "0.0.0.0"] c = TCPSocket.open(*Socket.unpack_sockaddr_in(serv.getsockname).reverse) s = serv.accept
getsockopt(level, optname) -> String
-
ソケットのオプションを取得します。getsockopt(2) を参照してください。取得したオプションのデータをパックした文字列を 返します。
- [PARAM] level:
- getsockopt(2) の 第二引数のlevel に相当する整数を指定します。
- [PARAM] optname:
- getsockopt(2) の 第三引数のoption_name に相当する整数を指定します。
例:
serv = TCPServer.open("", 0) c = TCPSocket.open(*Socket.unpack_sockaddr_in(serv.getsockname).reverse) s = serv.accept p c.getsockopt(Socket::IPPROTO_TCP, Socket::TCP_NODELAY) #=> "\000\000\000\000" p opt.unpack("i")[0] #=> 0 (Nagle アルゴリズム有効)
recv(maxlen, flags = 0) -> String
-
ソケットからデータを受け取り、文字列として返します。 maxlen は受け取る最大の長さを指定します。 flags については recv(2) を参照してください。flags の デフォルト値は 0 です。flags の指定に必要な定数は Socket クラスで定義されています。(例: Socket::MSG_PEEK)
内部で呼び出す recv(2) が 0 を返した場合、このメソッドは "" を返します。 この意味はソケットによって異なります。 たとえば TCP では EOF を意味しますし、 UDP では空のパケットを読み込んだことを意味します。
- [PARAM] maxlen:
- 受け取る文字列の最大の長さを指定します。
- [PARAM] flags:
- recv(2) を参照してください。
- [EXCEPTION] IOError:
- [EXCEPTION] Errno::EXXX:
- recvfrom(2) がエラーになった場合などに発生します。
例:
s1, s2 = UNIXSocket.pair s1.write "a" s1.close p s2.recv(10, Socket::MSG_PEEK) #=> "a" p s2.recv(10) #=> "a" p s2.recv(10) #=> ""
recv_nonblock(maxlen, flags = 0) -> String
-
ソケットをノンブロッキングモードに設定した後、 recvfrom(2) でソケットからデータを受け取ります。
引数、返り値は BasicSocket#recv と同じです。
recvfrom(2) がエラーになった場合、 EAGAIN, EINTR を含め例外 Errno::EXXX が発生します。
- [PARAM] maxlen:
- 受け取る文字列の最大の長さを指定します。
- [PARAM] flags:
- recv(2) を参照してください。
- [EXCEPTION] IOError:
- [EXCEPTION] Errno::EXXX:
- recvfrom(2) がエラーになった場合などに発生します。
send(mesg, flags, dest_sockaddr = nil) -> Fixnum
-
ソケットを介してデータを送ります。flags に関しては send(2) を参照してください。connect していないソケット に対しては送り先である dest_sockaddr を指定する必要があります。実際に送っ たデータの長さを返します。
dest_sockaddr には「ソケットアドレス構造体を pack した文字列」 を指定します。
データの送信に失敗した場合は例外 Errno::EXXX が発生します。
- [PARAM] mesg:
- 送信するデータを文字列で指定します。
- [PARAM] flags:
- send(2) の flags を参照してください。
- [PARAM] dest_sockaddr:
- 「ソケットアドレス構造体を pack した文字列」を指定します。
- [EXCEPTION] Errno::EXXX:
- データの送信に失敗した場合に発生します。
例:
s = UDPSocket.new sockaddr = Socket.sockaddr_in("discard", "localhost") s.send("The king has donkey ears!", 0, sockaddr)
setsockopt(level, optname, optval) -> 0
-
ソケットのオプションを設定します。setsockopt(2) を参照してください。
- [PARAM] level:
- setsockopt(2) の level を参照してください。
- [PARAM] optname:
- setsockopt(2) の option_name を参照してください。
- [PARAM] optval:
- 設定される値を文字列で指定します。
- [EXCEPTION] Errno::EXXX:
- オプションの設定に失敗した場合発生します。
shutdown(how = Socket::SHUT_RDWR) -> 0
-
ソケットの以降の接続を終了させます。 how の値によって以下のように接続が終了します。
- Socket::SHUT_RD: それ以降の受信が拒否されます
- Socket::SHUT_WR: それ以降の送信が拒否されます
- Socket::SHUT_RDWR: それ以降の送信、受信ともに拒否されます
how を省略すると Socket::SHUT_RDWR を指定したことになります。 shutdown(2) を参照してください。
- [PARAM] how:
- 接続の終了の仕方を Socket::SHUT_RD, Socket::SHUT_WR, Socket::SHUT_RDWR などで指定します。
- [EXCEPTION] Errno::EXXX:
- ソケットの以降の接続を終了操作が失敗した場合に発生します。
- [EXCEPTION] ArgumentError:
- how に範囲外の整数を入力した場合に発生します。
- [EXCEPTION] SecurityError:
- セーフレベルが 4 以上で、ソケットに汚染マークがついていない場合発生します。