Ruby 1.9.2 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > monitorライブラリ > MonitorMixinモジュール
module MonitorMixin
クラスの継承リスト: MonitorMixin
Abstract
スレッドの同期機構としてのモニター機能を提供するモジュールです。
例
require 'monitor' buf = [] buf.extend(MonitorMixin) empty_cond = buf.new_cond # consumer Thread.start do loop do buf.synchronize do empty_cond.wait_while { buf.empty? } print buf.shift end end end # producer while line = ARGF.gets buf.synchronize do buf.push(line) empty_cond.signal end end
初期化
MonitorMixin は初期化される必要があります。 上の例のように Object#extend を使って利用する場合は 自動的に初期化されます。
require 'monitor' buf = [] buf.extend(MonitorMixin)
しかし、MonitorMixin をクラス定義の際に Module#include を使って 利用する場合は、initialize メソッドで super() か super を呼んで、初期化する必要があります。 スーパークラスの initialize に引数を渡したい場合は super を、そうでない場合は super() を呼んで下さい。 詳しくは、[[m:メソッド呼び出し#super]] を参照して下さい。 例えば、以下の MyObject のスーパークラスは Object であり、その initialize は引数を受け付けないので super ではなく super() を呼ぶ必要があります。
require 'monitor' class MyObject include MonitorMixin def initialize(val) super() @value = val end def to_s synchronize { @value.to_s } end end
以下も参考になります。
*[[unknown:ruby-dev:9384]] *[[unknown:ruby-dev:9386]]
インスタンスメソッド
mon_enter
-
モニターをロックします。一度に一つのスレッドだけがモニターをロックできます。 Mutex#lock に相当します。返り値は不定です。 Mutex#lock と違うのは現在のモニターの所有者が現在実行されているスレッドである場合、 何度でもロックできる点です。ロックした回数だけ mon_exit を呼ばなければモニターは 解放されません。
例:
require 'monitor' buf = [] buf.extend(MonitorMixin) buf.mon_enter buf.mon_enter
Mutex#lock ではデッドロックが起きます。
例:
require 'thread' m = Mutex.new m.lock m.lock # => deadlock; recursive locking (ThreadError)
mon_exit
-
モニターのロックを解放します。mon_enter でロックした回数だけ mon_exit を 呼ばなければモニターは解放されません。返り値は不定です。
モニターが解放されればモニターのロック待ちになっていたスレッドの実行は 再開されます。
mon_synchronize { ... }
synchronize { ... }
-
モニターをロックし、ブロックを実行します。実行後に必ずモニターのロックを解放します。
mon_try_enter
try_mon_enter
-
モニターを開始しようとして成功した場合、true を返します。 つまりモニターしているスレッドがいないか、モニターしているのがスレッドが 現在のスレッドの場合に true を返します。
new_cond
-
新しい MonitorMixin::ConditionVariable を生成して返します。