Ruby 1.9.2 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > ipaddrライブラリ > IPAddrクラス
class IPAddr
クラスの継承リスト: IPAddr < Object < Kernel < BasicObject
Abstract
IP アドレスを扱うのためのクラスです。
例:
require 'ipaddr' ipaddr1 = IPAddr.new("3ffe:505:2::1") p ipaddr1 # => #<IPAddr: IPv6:3ffe:0505:0002:0000:0000:0000:0000:0001/ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff> ipaddr3 = IPAddr.new("192.168.2.0/24") p ipaddr3 # => #<IPAddr: IPv4:192.168.2.0/255.255.255.0>
参照
特異メソッド
new(addr = '::', family = Socket::AF_UNSPEC) -> IPAddr
-
新しい IPAddr オブジェクトを生成します。
- [PARAM] addr:
- 0 から IPAddr::IN6MASK までの数値を受け取ります。 また、'address', 'address/prefixlen', 'address/mask' の形式も受け付けます。 プリフィックス長やマスクが指定されると、 マスクされた IPAddr オブジェクトを返します。 IPv6 アドレスの場合は、[ ] で囲まれていてもかまいません。
- [PARAM] family:
- family は自動的に判定されますが、明示的に指定することもできます。
- [EXCEPTION] ArgumentError:
- family が Socket::AF_UNSPEC の場合に発生します。
- [EXCEPTION] ArgumentError:
- family にサポートされていない address family を指定した場合に発生します。
new_ntoh(addr) -> IPAddr
-
ネットワークバイトオーダーのバイト列から IPAddr オブジェクトを生成します。
- [PARAM] addr:
- ネットワークバイトオーダーのバイト列。
例:
require 'ipaddr' p IPAddr.new_ntoh("\300\250\001\001") # => <IPAddr: IPv4:192.168.1.1/255.255.255.255>
ntop(addr)
-
ネットワークバイトオーダーのバイト列で表現された IP アドレスを人間の読める形式に変換します。
- [PARAM] addr:
- ネットワークバイトオーダーのバイト列。
インスタンスメソッド
self & ipaddr -> IPAddr
-
他の IPAddr オブジェクトとのビットごとの論理積により、 新しい IPAddr オブジェクトを生成します。
- [PARAM] ipaddr:
- 他の IPAddr オブジェクト。 また、数値や文字列も受け付けます。
self << num -> IPAddr
-
ビットごとの左シフト演算により、新しい IPAddr オブジェクトを生成します。
- [PARAM] num:
- 左シフトする桁数。
self <=> other -> nil | Integer
-
self と other を比較します。
- [PARAM] other:
- 比較対象の IPAddr オブジェクト。
- [RETURN]
- self と other のアドレスファミリが一致しない場合は nil を返します。 アドレスファミリが一致する場合は、両方の数値表現を Integer#<=> で比較した結果を返します。
[SEE_ALSO] Integer#<=>
self == ipaddr -> bool
-
IPAddr オブジェクト同士が等しいかを比較します。
- [PARAM] ipaddr:
- 比較対象の IPAddr オブジェクト。 また、数値や文字列も受け付けます。
例:
require "ipaddr" p IPAddr.new("192.168.0.1") == IPAddr.new("192.168.0.1/24") # => false
include?(ipaddr) -> bool
self === ipaddr -> bool
-
与えられた IPAddr オブジェクトが自身の範囲に入っているかを判定します。
- [PARAM] ipaddr:
- 範囲に入っているかどうか調べる対象となる IPAddr オブジェクト。 また、数値や文字列も受け付けます。
self >> num -> IPAddr
-
ビットごとの右シフト演算により、新しい IPAddr オブジェクトを生成します。
- [PARAM] num:
- 右シフトする桁数。
family -> Integer
-
このオブジェクトのアドレスファミリを返します。
[SEE_ALSO] Socket
hton -> String
-
ネットワークオーダーのバイト列に変換します。
inspect -> String
-
オブジェクトを人間が読める形式に変換した文字列を返します。
ip6_arpa -> String
-
IPv6 なら [RFC3172] で定義された形式で DNS 逆引きのための文字列を返します。 IPv4 の場合は例外を発生します。
ip6_int -> String
-
IPv6 なら [RFC1886] 互換形式で DNS 逆引きのための文字列を返します。 IPv4 の場合は例外を発生します。
ipv4? -> bool
-
IPv4 なら真を返します。
ipv4_compat -> IPAddr
-
IPv4 アドレスから IPv4 互換 IPv6 アドレスの 新しい IPAddr オブジェクトを返します。
ipv4_compat? -> bool
-
IPv4 互換 IPv6 アドレスなら 真を返します。
ipv4_mapped -> IPAddr
-
IPv4 アドレスから IPv4 射影 IPv6 アドレスの 新しい IPAddr オブジェクトを返します。
ipv4_mapped? -> bool
-
IPv4 射影 IPv6 アドレスなら 真を返します。
ipv6? -> bool
-
IPv6 なら真を返します。
mask(prefixlen) -> IPAddr
-
マスクされた新しい IPAddr オブジェクトを返します。 引数にはプリフィックス長とマスクの両方を受け付けます (e.g. 8, 64, "255.255.255.0")。
- [PARAM] prefixlen:
- プリフィックス長またはマスクを表す数値か文字列。
mask!(mask) -> self
-
与えられた mask を使用してこのオブジェクトの IP アドレスを破壊的に変更します。
- [UNKNOWN_META_INFO] @pararm:
- mask プレフィックス長を表す文字列か、サブネットマスクを表す文字列。
native -> self | IPAddr
-
IPv4 射影 IPv6 アドレスや IPv4 互換 IPv6 アドレスから、 IPv4 アドレスの新しい IPAddr オブジェクトを返します。 IPv4 互換でも IPv4 組み込みでもないなら self を返します。
例:
require "ipaddr" p IPAddr.new("0000:0000:0000:0000:0000:ffff:c0a8:0001").native # => #<IPAddr: IPv4:192.168.0.1/255.255.255.255>
reverse -> String
-
DNS 逆引きのための文字列を返します。 IPv6 なら [RFC3172] で定義された形式で返します。
例:
require "ipaddr" p IPAddr.new("192.168.0.1").reverse # => "1.0.168.192.in-addr.arpa"
set(addr, *family) -> self
-
このオブジェクトの IP アドレスとアドレスファミリをセットして自身を返します。
- [PARAM] addr:
- セットする IP アドレスの数値表現。
- [PARAM] family:
- セットするアドレスファミリ。
succ -> IPAddr
-
次の IPAddr オブジェクトを返します。
ipaddr = IPAddr.new('192.168.1.1') p ipaddr.succ.to_s #=> "192.168.1.2"
to_i -> Integer
-
整数に変換します。
例:
require "ipaddr" p IPAddr.new("0.0.1.0").to_i # => 256
to_range -> Range
-
self の IP アドレスとサブネットマスクで取得できる IP アドレスの範囲を Range オブジェクトとして返します。
例:
IPAddr.new('192.168.1.1').to_range #=> #<IPAddr: IPv4:192.168.1.1/255.255.255.255>..#<IPAddr: IPv4:192.168.1.1/255.255.255.255> IPAddr.new('::1').to_range #=> #<IPAddr: IPv6:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0001/ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff>.. # #<IPAddr: IPv6:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0001/ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff>
to_s -> String
-
文字列に変換します。
addr6 = IPAddr.new('::1') addr6.to_s #=> "::1" addr6.to_string #=> "0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0001"
[SEE_ALSO] IPAddr#to_string
to_string -> String
-
標準的な文字列表現に変換します。
addr6 = IPAddr.new('::1') addr6.to_s #=> "::1" addr6.to_string #=> "0000:0000:0000:0000:0000:0000:0000:0001"
[SEE_ALSO] IPAddr#to_s
self | ipaddr -> IPAddr
-
他の IPAddr オブジェクトとのビットごとの論理和により、 新しい IPAddr オブジェクトを生成します。
- [PARAM] ipaddr:
- 他の IPAddr オブジェクト。 また、数値や文字列も受け付けます。
~ -> IPAddr
-
ビットごとの論理否定により、新しい IPAddr オブジェクトを生成します。
定数
IN4MASK
-
IPv4 アドレスの場合に使用するマスク値。
0xffffffff
IN6FORMAT
-
IPv6 アドレスをわかりやすく表示するためのフォーマット文字列。
"%.4x:%.4x:%.4x:%.4x:%.4x:%.4x:%.4x:%.4x"
IN6MASK
-
IPv6 アドレスの場合に使用するマスク値。
0xffffffffffffffffffffffffffffffff