Ruby 1.9.2 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > erbライブラリ > ERBクラス
class ERB
クラスの継承リスト: ERB < Object < Kernel < BasicObject
Abstract
eRuby スクリプトを処理するクラス。
従来 ERbLight と呼ばれていたもので、 標準出力への印字が文字列の挿入とならない点が eruby と異なります。
使い方
ERB クラスを使うためには require 'erb' する必要があります。
例:
require 'erb' ERB.new($<.read).run
trim_mode
trim_mode は整形の挙動を変更するオプションです。次の振舞いを指定できます。
- 改行の扱い
- %ではじまる行の扱い (ERB 2.0 から追加されました)
trim_mode に指定できる値は次の通りです。
- ERb-1.4.x 互換の指定方法
- nil, 0: そのまま変換
- 1: 行末が%>のとき改行を出力しない
- 2: 行頭が<%で行末が%>のとき改行を出力しない
- 2.0 からの指定方法
- nil, "": そのまま変換
- ">": 1と同じ
- "<>": 2と同じ
- "-": 行末が-%>のとき改行を出力しない。また、行頭が<%-のとき行頭の空白文字を削除する
- "%": %ではじまる行を<%..%>とみなして変換する。この行の改行は出力しない
- "%>", ">%": 1と"%"の両方を行なう
- "%<>", "<>%": 2と"%"の両方を行なう
- "%-": "-"と"%"の両方を行なう
実行例:
# スクリプト <% 3.times do |n| %> % n = 0 * <%= n%> <% end %> # trim_mode = nil, '', 0 % n = 0 * 0 % n = 0 * 1 % n = 0 * 2 # trim_mode = 1, '>' % n = 0 * 0% n = 0 * 1% n = 0 * 2 # trim_mode = 2, '<>' % n = 0 * 0 % n = 0 * 1 % n = 0 * 2 # trim_mode = '%' * 0 * 0 * 0 # trim_mode = '%>', '>%' * 0* 0* 0 # trim_mode = '%<>', '<>%' * 0 * 0 * 0 # スクリプト <% 3.times do |n| -%> % n = 0 <%- m = 0 %>* * <%= n%> <% end -%> # trim_mode = '%-' * * 0 * * 0 * * 0 # スクリプト <% 3.times do |n| %> % n = 0 <%- m = 0 %>* * <%= n%> <% end %> # trim_mode = '%' * * 0 * * 0 * * 0
特異メソッド
new(eruby_script, safe_level=nil, trim_mode=nil, eoutvar='_erbout') -> ERB
-
eRubyスクリプト から ERB オブジェクトを生成して返します。
- [PARAM] eruby_script:
- eRubyスクリプト
- [PARAM] safe_level:
- eRubyスクリプトが実行されるときのセーフレベル
- [PARAM] trim_mode:
- 整形の挙動を変更するオプション
- [PARAM] eoutvar:
- eRubyスクリプトの中で出力をためていく変数。eRuby スクリプトの中でさらに ERB を使うときに変更します。通常は指定する必要はありません。
version -> String
-
erb.rbのリビジョン情報を返します。
インスタンスメソッド
def_class(suplerklass=Object, methodname='erb') -> Class
-
変換した Ruby スクリプトをメソッドとして定義した無名のクラスを返します。
- [PARAM] suplerklass:
- 無名クラスのスーパークラス
- [PARAM] methodname:
- メソッド名
def_method(mod, methodname, fname='(ERB)') -> nil
-
変換した Ruby スクリプトをメソッドとして定義します。
定義先のモジュールは mod で指定し、メソッド名は methodname で指定します。 fname はスクリプトを定義する際のファイル名です。主にエラー時に活躍します。
- [PARAM] mod:
- メソッドを定義するモジュール(またはクラス)
- [PARAM] methodname:
- メソッド名
- [PARAM] fname:
- スクリプトを定義する際のファイル名
例:
erb = ERB.new(script) erb.def_method(MyClass, 'foo(bar)', 'foo.erb')
def_module(methodname='erb') -> Module
-
変換した Ruby スクリプトをメソッドとして定義した無名のモジュールを返します。
- [PARAM] methodname:
- メソッド名
filename -> String
-
エラーメッセージを表示する際のファイル名を取得します。
filename= -> String
-
エラーメッセージを表示する際のファイル名を設定します。
filename を設定しておくことにより、エラーが発生した eRuby スクリプトの特定が容易になります。filename を設定していない場合は、エラー発生箇所は「 (ERB) 」という出力となります。
result(b=TOPLEVEL_BINDING) -> String
-
ERB を b の binding で実行し、結果の文字列を返します。
- [PARAM] b:
- eRubyスクリプトが実行されるときのbinding
run(b=TOPLEVEL_BINDING) -> nil
-
ERB を b の binding で実行し、結果を標準出力へ印字します。
- [PARAM] b:
- eRubyスクリプトが実行されるときのbinding
set_eoutvar(compiler, eoutvar = '_erbout') -> Array
-
ERBの中でeRubyスクリプトの出力をためていく変数を設定します。
ERBでeRubyスクリプトの出力をためていく変数を設定するために使用します。 この設定は ERB#new でも行えるため、通常はそちらを使用した方がより容易です。 本メソッドを使用するためには、引数にて指定する eRuby コンパイラを事前に生成しておく必要があります。
- [PARAM] compiler:
- eRubyコンパイラ
- [PARAM] eoutvar:
- eRubyスクリプトの中で出力をためていく変数
src -> String
-
変換した Ruby スクリプトを取得します。