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library getoptlong

要約

getoptlong は、GNU の getopt_long() とまったく同じ方式でコマンド 行オプションの解析を行う Ruby のライブラリです。

Author: 笠原 基之 (m-kasahr@sra.co.jp)

Copyright 1998, 1999 Motoyuki Kasahara

You may redistribute it and/or modify it under the same license terms as Ruby.

GNU getopt_long() とは?

GNU geopt_long() は、コマンド行オプションの解析を行う C の関数です。多 くの GNU ソフトウェアがこの関数を使用しています。GNU geopt_long() そし て getoptlong には、以下のような特徴があります。

順序形式 (Ordering)

GNU getopt_long() および geoptlong.rb には、`REQUIRE_ORDER', `PERMUTE', `RETURN_IN_ORDER' という、3 つの「順序形式 (ORDERING)」が用 意されています。それぞれの処理形式は、非オプション引数についての扱い方 が異なります。

POSIXLY_CORRECT

環境変数 POSIXLY_CORRECT が定義されていると、処理形式に `PERMUTE' を 選択していても、REQUIRE_ORDER 形式で処理されます。

使い方

あなたの作ったプログラムのヘルプメッセージが、次のようになっているもの とします。

Usage: command [option...]
Options:
  -m SIZE  --max-size SIZE    Set maximum size
  -q  --quiet  --silence      Suppress all warnings
  --help                      Output this help, then exit
  --version                   Output version number, then exit

まず、`getoptlong.rb' を Ruby で書かれたあなたのプログラムに取り込みま す。

require 'getoptlong.rb'

getoptsparsearg とは異なり、getoptlong はモジュール ではなくクラスを提供します。クラスの名前は GetoptLong です。 GetoptLong クラスのオブジェクトを生成します。

parser = GetoptLong.new

そして、set_optins メソッドを呼び出し、この parser にオプションを セットします。

parser.set_options(
    ['--max-size',           '-m', GetoptLong::REQUIRED_ARGUMENT],
    ['--quiet', '--silence', '-q', GetoptLong::NO_ARGUMENT],
    ['--help',                     GetoptLong::NO_ARGUMENT],
    ['--version',                  GetoptLong::NO_ARGUMENT])

getopts モジュールが行っているように、与えられたオプションを `$OPT_...' という定数に入れたいときは、次のコードをあなたのプログラム に足して下さい。

begin
   parser.each_option do |name, arg|
      eval "$OPT_#{name.sub(/^--/, '').gsub(/-/, '_').upcase} = '#{arg}'"
   end
rescue
   exit(1)
end

each_option メソッドは、常にオプション名を「正式名 (CANONICAL NAME)」 の形で返してきます。「正式名」とは、`set_options' へ渡した個々の引数に おいて、一番左にあるオプション名のことです。たとえば、`--quiet' は、 `-q' と `--silence' の正式名になります。したがって、この節の例で定義さ れる可能性があるのは、`$OPT_MAX_SIZE', `$OPT_QUIET', `$OPT_HELP', `$OPT_VERSION' です。後方が省略されたオプションが与えられたときも、対 応する正式名に変換されます。

順序形式の設定

先に記したように、順序形式 (ORDEING) のデフォルトは `PERMUTE' です。 順序形式を変えるには `ordering=' メソッドを用います。

parser.ordering = GetoptLong::REQUIRE_ORDER

エラー

オプションの処理中は、次のような理由でエラーが発生します。

エラーが発生した場合、「静粛 (quiet)」フラグが設定されていなければ、標 準エラー出力にエラーメッセージが出力され、例外が発生します。例外には、 エラーメッセージも渡されます。

一旦エラーが起きてしまうと、続きのオプションを得ようとする試みはすべて 失敗します。`GetoptLong' には、エラーを解除する方法はありません。言い 換えると、エラーが起きたら、オプションの処理は諦めなければなりません。

静粛フラグ

エラーが発生すると、デフォルトではエラーメッセージが標準エラー出力に出 力されます。「静粛 (quiet)」フラグを設定すると、エラーメッセージの出力 は抑制されます。

parser.quiet = TRUE

クラスとモジュール

class GetoptLong

例外クラス

class GetoptLong::Error
class GetoptLong::AmbiguousOption

与えられたオプションは名前の後方が省略されていると思われる が、一意に決まらない。

class GetoptLong::InvalidOption

知らないオプションが与えられた。

class GetoptLong::MissingArgument

与えられたオプションには引数が欠けている。

class GetoptLong::NeedlessArgument

与えられたオプションは引数を伴っているが、そのオプションは 引数をとらない。

Classes

Sublibraries